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青森県立郷土館ニュース

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ふるさとの宝物 第135回 ムラサキヤシオツツジ

名前の通り 花鮮やか

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ムラサキヤシオツツジの標本


 ムラサキヤシオツツジ(Rhododendron albrechtii Maxim)は、ムラサキヤシオ、ミヤマツツジともよばれるツツジの仲間でである。
「ムラサキヤシオ」は漢字で「紫八塩」、または「紫八汐」「紫八染」とも書き、回数を重ねて紫色の染汁に漬けてよく染め上げたという意味である。
花の色はその名の通り鮮やかな紫色で、春になると葉が出てくるのと同時、または葉より早く花を咲かせる。樹高1~3mの落葉低木で北海道、東北地方、中部地方の主に日本海側に分布している。
 ムラサキヤシオツツジの標本は青森県立郷土館自然展示室「白神山地の植物」のコーナーに展示している。そのほかにも白神山地由来の植物の標本として20種類ほどを展示している。来館した際にはご覧いただきたい。
(県立郷土館主任研究主査  豊田 雅彦)
# by aomori-kyodokan | 2016-03-03 09:53 | ふるさとの宝物

ふるさとの宝物 第134回 石製垂飾品(風韻堂コレクション)

サメの強さにあやかる?

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右はサメの歯を模した縄文晩期の石製垂飾品
(長さ8.6cm。県立郷土館所蔵。)
左の3点はサメの歯
(上2点は県埋文センター所蔵。下は板柳町教育委員会所蔵。)


 石製垂飾品(せきせいすいしょくひん)の全体の形は二等辺三角形で、底辺が湾曲している。一方は欠失しているが、底辺の両側に穿孔(せんこう)されていたらしい。側面には細かな刻みがある。これはサメの歯の形を真似た垂飾品と考えられる。
実はサメの歯は日本各地の縄文遺跡から見つかっている。青森県では早期の終わりから晩期のものまであり、中には孔が開けられ、垂飾品として用いられたものもある。サメの種類はホオジロサメやアオザメなど暖海性のサメがよく知られている。
左側の3点は実際に遺跡から出土したサメの歯で、上2点が六ヶ所村富ノ沢(2)遺跡、下が板柳町土井Ⅰ号遺跡のもの。なぜ海岸線から数十㎞内陸にある土井Ⅰ号遺跡からサメの歯が出土したのだろうか。なぜ暖海性のサメの歯が青森から出土したのだろうか。
サメは海で最強の生き物であり、縄文人は、その一部を身につけることで強さを身にまとうことができると信じたのかもしれない。だからこそサメの歯が流通し、本物の歯だけでなく、石製の装飾品もつくられたのだろう。
(県立郷土館主任学芸主査  中村 哲也)
# by aomori-kyodokan | 2016-02-25 10:48 | ふるさとの宝物

ふるさとの宝物 第133回 原油

かつて県内でも採掘

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石油採掘跡地を示す看板(五所川原市前田野目)五所川原市
前田野目産「原油」



 写真のビンの中の黒い液体は、五所川原市で採れた原油。県内でも石油(原油)が採れるのである。採取時には水や泥が混じっていたが、それを取り除いてある。この場所では1905(明治38)年に手掘りによる採掘が始まり、明治末期にドラム缶で約50本の石油がくみ上げられた記録がある。跡地には、今でも「油発掘跡」と書かれた看板が立っている。
 津軽山地の西側及び東側では、沢沿いの崖に油がにじんでいるようすや、沢水の表面に油膜が見られることがある。この地域では、1921(大正10)年頃から、石油会社や個人によって石油の試掘が行われた。第二次世界大戦中には、大釈迦‐鶴ヶ坂間のトンネル付近において深度180mの試掘が行われ、ドラム缶30本ほどの原油が採掘された。津軽地域で採れる石油(原油)は、新潟県・秋田県の油田で採れるものと全く同じだといわれるが、産出量が少ないためか石油開発には成功していない。
(県立郷土館学芸課副課長 島口 天)
# by aomori-kyodokan | 2016-02-18 08:57 | ふるさとの宝物