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青森県立郷土館ニュース

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青森郷土見聞録 第16回 盆の飾りと供えもの③ ホゲサライ  墓前の供物を食べる

 木の枠につるされた赤や緑のスナック菓子。これも本県にみられる「盆棚」のスタイルだ。

 位牌(いはい)はすべて仏壇から出され、菓子がつるされた木枠の後ろに並べられる。盆のあいだ、そこが祭壇の中心になる。古くは赤いハマナス、緑のササゲなど季節の産物を糸でつるしたが、菓子の赤や緑のパッケージはそれらを象徴しており、かつて末端に結ばれた小さな青リンゴは、緑色のミニゼリーで代用されている。

 上北郡六ヶ所村のお宅で年配のご夫婦に尋ねると、スナック菓子をつるすのは、盆に訪れる孫たちに喜んで欲しいからだという。子どもたちは好きなものを引きちぎって持ち帰る。高揚感と娯楽性が伴い、笑顔が浮かぶ。

 この種の盆棚の飾りを「おやつパーティ」と名付けて楽しむ家もある。現代的ともいえるこのエンターテインメントに似たことが、かつては県内各地の墓地で行われていた。
「ホゲサライ」といって、墓前の供物を子どもたちが競い合うように食べる習俗である。カゴを持って待ち構え、拝み終わらぬうちから供物を取っても、この時ばかりは叱られることはない。昭和30年代までの話で、「仏のものを食べるとためになる」「賢くなる」とされた。

(青森県立郷土館学芸主査・増田公寧)
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写真 スナック菓子をつるした盆棚(上北郡六ヶ所村泊)

青森県内のお盆の祭祀装置や飾りについてもっと知りたい方は……
「青森県上北・下北地方の盆棚」(青森県立郷土館研究紀要第45号)をご覧ください。


by aomori-kyodokan | 2021-08-05 12:00 | 青森郷土見聞録
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