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青森県立郷土館ニュース

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ふるさとの宝物 第6回 県重宝・漆入鉢形土器(亀ヶ岡遺跡出土)

縄文の高い技術伝える

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亀ヶ岡遺跡から出土した漆入鉢形土器(県重宝、風韻堂コレクション)


 当館が所蔵する風韻堂コレクションは、考古資料を中心に約11,000点を数える。その中に県重宝に指定されている亀ヶ岡遺跡出土品63点があり、漆塗土器・漆入り土器・漆塗り櫛が含まれている。縄文時代晩期亀ヶ岡文化の藍胎(らんたい)漆器、漆器、漆塗り土器など漆製品は、現代のものと変わらない高い技術で作られている。
漆入鉢形土器は木から採った樹液を入れたと考えられ、縄文人の漆利用を復元するうえで貴重な資料である。この土器の中には固まった漆があり、状態から数回にわたって樹液を入れたと思われる。さらに漆と共に、植物の繊維のようなものが入っている。植物の繊維は樹液を採る際に使われたものだろうか? 亀ヶ岡遺跡では漆を漉(こ)した布も出土し、集落内で漆が製作されていたことは明らかである。
(前県立郷土館主任学芸主査 伊藤由美子)
by aomori-kyodokan | 2013-07-11 09:20 | ふるさとの宝物
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