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青森県立郷土館ニュース

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ふるさとの宝物 第4回 魚の缶詰

県内で盛んに製造、輸出

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魚のイラストが目を引くラベル


 赤を基調とした色あざやかなラベル。これらは戦前の青森で製造された缶詰に用いられたものである。北洋漁業の基地、中継市場としての地の利を活かし、青森では大正時代にサケ・マスなどの缶詰製造が本格化した。また、イワシが豊漁であったことから、これを利用した缶詰も盛んに製造された。イタリア人ジュセップ・ファブリーは現在の青森市郊外に工場を建設し、西洋の先進的な技術を用いてイワシ油漬缶詰などの製造をおこなった。地元の業者も刺激を受け、新しい製造技術を取り入れたことで品質が一段と向上。青森の缶詰は世界に認められる商品へと成長し、輸出も盛んになった。ひところは「缶詰の町」と呼ばれるほどの盛況であった。ラベルは、輸出向けに英語やフランス語で書かれたものが多い。缶詰業の華やかなりし頃がしのばれる。
(県立郷土館研究員 増田公寧)
by aomori-kyodokan | 2013-06-27 09:08 | ふるさとの宝物
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