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青森県立郷土館ニュース

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ふるさとの宝物 第9回 県重宝 漆塗浅鉢形土器・漆塗壺形土器

亀ヶ岡文化の到達点

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漆塗浅鉢形土器


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漆塗壺形土器


 県立郷土館の風韻堂コレクションは約11,000点にのぼる膨大な数の考古資料で、昭和47年、青森市の大高興氏から翌年に開館を控えた郷土館に一括して寄贈された。工芸的・学術的に特に貴重なもの4件(63点)が県重宝に指定されている。その中で、亀ヶ岡遺跡から出土した漆製品は亀ヶ岡文化の漆工芸の到達点を示す優品である。  
 漆塗浅鉢形土器は黒色漆と赤色漆を塗り分けて、ダイナミックな雲形文様を描き出している。漆塗壺形土器は全面赤色漆を塗り、口縁部の装飾以外は無文とする。下地の暗褐色が透けて、やや落ち着いた色調である。シャープな器形と相まって、抑制された美しさを感じさせる。
(青森県立郷土館主任学芸主査 中村哲也) 
by aomori-kyodokan | 2013-08-01 09:17 | ふるさとの宝物
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