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青森県立郷土館ニュース

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ふるさとの宝物 第32回 カデ切り器

効率よく根菜を裁断

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旧川内町で使われていた「カデ切り器」。左は本体上部の刻印


 下北や南部地方はもちろん、稲作が盛んな津軽地方でも、かつて米だけの飯を食べられたのは一部の人々で、庶民の多くは雑穀や豆、根菜、海草などを米に加えて炊き、主食とした。これを「カデメシ」という。大根や芋などは細かく切り刻んで入れるが、「カデ切り器」を使うと効率よく切り刻むことができる。写真の器械は、下北の旧川内町で使用されていたもの。ハンドルと連動して上下する細かく並んだ刃が、食材をザクザクと切る。使用者は「大根切り器」と呼んでいた。もっぱら大根のカデメシを作ったのだろう。
 本体上部には「特許薯米用剪理器」の刻印。薯米とは、馬鈴薯を裁断して粒状に加工したもので、明治後期に特許が取得されている。米に混ぜて炊いても米飯の食味が損われることなく、安価で軽量、保存も利くというので国も奨励した。同じ頃の東奥日報紙には、1升の米を3升に増やす「飯殖法」が津軽の村民に伝授されたという記事もみられる。逼迫した食糧事情が窺える。
(県立郷土館研究員 増田公寧)
by aomori-kyodokan | 2014-02-06 10:24 | ふるさとの宝物
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