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青森県立郷土館ニュース

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ふるさとの宝物 第35回 盛秀太郎作のこけし

心とらえる柔和な顔

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盛秀太郎作のこけしや木地玩具



 温湯こけしの名人、盛秀太郎は古くから続く木地師の長男として生まれた。木地師とは、ろくろを用いて、木から椀(わん)や盆などを作る職人のことである。1914(大正3)年、秀太郎は、宮城県から温湯を訪れた中学生に勧められ、手探りで独自に工夫を重ね、こけし作りを始めた。彼のこけしは湯治客などの評判となり、人気を博した。しかし、大正の末ごろからメンコやベーゴマなど新しい玩具が子どもの間に流行し、こけしの人気は、一般には衰えた。
 55(昭和30)年4月、版画家棟方志功は秀太郎にその仕事ぶりをたたえる手紙を送った。それが新聞に報じられ、秀太郎の評判は高まった。旅行ブームにも支えられ、こけしの製作依頼が増えた。秀太郎のこけしは、柔和な顔立ちをしており、「素朴でありながら日本人の心をとらえる深い魅力がある」(弟子の奥瀬鉄則氏)と評された。その後の秀太郎は、71年には勲六等瑞宝章、82年には黒石市無形文化財ほか、数々の表彰・叙勲等を受けている。
(県立郷土館主任学芸主査 佐藤良宣)
by aomori-kyodokan | 2014-02-27 10:05 | ふるさとの宝物
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