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青森県立郷土館ニュース

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ふるさとの宝物 第43回 日本鉄道陸奥地方画譜

沿線の風景や人々描く

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「日本鉄道陸奥地方画譜」より「尻内停車場建築之図」


 日本最初の私鉄である日本鉄道会社が上野青森間の最終区である盛岡青森間を開業したのは1891(明治24)年9月1日である。盛岡藩のお抱え絵師川口月嶺(げつれい)の長男月村(げっそん、1845-1904)は、前年の冬から春にかけて、盛岡以北の沿線風景を描いて画譜にまとめた。「岩手県南岩手郡雫石川鉄橋之図」から始まり、「青森県東津軽郡青森市街大雪之図」で終わる50景の絵には、当時の人々の生活の様子や風俗を描いているものも多く興味深い。
 この絵は、尻内停車場(現JR八戸駅)の建設の様子を描いたものである。尻内停車場が市街地から遠く離れたところに建設されたことから、百年の計を誤ったとの批判が出た。盛岡青森間の路線決定の過程では、鉄道局が作成した原案である太平洋岸の八戸周辺を通るルートに対して、照会を受けた陸軍省は国防上の観点から内陸ルートへの変更を求めた。 開通式は青森町の安方停車場(現JR青森駅)内の客車庫で挙行された。
(青森県立郷土館学芸課副課長 竹村俊哉)
by aomori-kyodokan | 2014-04-24 11:07 | ふるさとの宝物
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