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青森県立郷土館ニュース

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ふるさとの宝物 第119回 弘前師範分校の成績表

3年で廃校 希少性高く

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弘前師範分校の成績表。読書や習字、作文といった教科も見える


 「教育学」や「授業法」という教科があり、「右ノ成績ニ拠リ第一号卒業証書ヲ授与ス」という記載があることから、この教員養成学校の設立以来、最初の卒業生となる人物の成績表であることが分かる。また、氏名の左下に書かれている「二十年九ヶ月」は、この人物が二十歳九ヶ月という年齢でこの学校を卒業したということを示すものである。
 「明治十六年三月二十三日」という年月日のあとに「三等教諭土岐八郎」を筆頭にこの成績を証明した六名の教員が署名押印している。六人目の「教員雇髙山静」とは、一八四九(嘉永二)年生まれの弘前の書家髙山文(ぶん)堂(どう)である。東奥日報社刊『青森県人名辞典』によれば、文堂は小学校で習字を教え、東奥義塾その他の中等学校でも教授したという。
以上を手がかりとすると、この学校とは弘前師範分校のことである。一八八〇(明治十三)年の教育令の改正により、小学校が初等科・中等科・高等科の三区分となり、青森県でも小学校初等科教員を養成する県立初等師範学校が各郡に一校ずつ設置され、一八八二(明治十五)年には青森県師範学校、同女子師範学校及び弘前師範分校内にも合設された。
 入学資格は「品行端正、体質剛健、年齢十七年以上ニシテ小学中等科卒業以上ノ学力アル者」、修業年限は一ヶ年であったので、第一号卒業生の年齢及び卒業年とも符合する。 ところで、明治十七年度には青森県師範学校と女子師範学校の二校以外は廃止されたことから、この成績表は希少性が高い資料と言える。
(県立郷土館学芸課副課長 竹村俊哉)
by aomori-kyodokan | 2015-11-05 11:09 | ふるさとの宝物
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