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青森県立郷土館ニュース

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ふるさとの宝物 第49回  安全行火

先人の知恵と工夫体験

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 郷土館では、教育普及活動として学校を対象に「出前授業」をおこなっている。その中で人気がある授業が小学校3年生の「古い道具と昔のくらし」である。衣・食・住に関係する多くの古い道具から先人の工夫がわかり、子供達に人気のある道具を紹介する。その中でも子供の興味を引くのが暖房の道具「安全行火」である。
 「安全行火」は「あんぜんあんか」と読む。ちなみに「行火」とは、火入れに、炭火をおこし、上にこたつなどをおいて、手足をあたためる道具である。ただし、こたつの中の行火を間違って足で蹴飛ばすと、灰や炭がこぼれ、家が火事になってしまう。
  そこで、先人の知恵と工夫が「安全行火」にいかされている。安全という言葉のとおり、かたむけても、炭火や灰がこぼれないように中央の火入れが自由に回転する仕掛がある行火である。
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先人の知恵が詰まった安全行火。中の火入れが回転するようになっている。
 子供たちは、「炭や灰はこぼれないよ」という言葉に、本当に炭や灰がこぼれないのか安全行火をいろいろ動かしてその仕組みを自分自身で確かめ、昔の人の知恵と工夫はすごいと目を輝かせる。自分で道具の工夫を発見する楽しさを「安全行火」は与えてくれる名品である。
(県立郷土館 学芸主査 伊丸岡政彦)

                      
by aomori-kyodokan | 2014-06-05 17:30 | ふるさとの宝物
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