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青森県立郷土館ニュース

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ふるさとの宝物 第63回 牛の頭骨

厩に掲げて平穏願う

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魔除けとして厩に掲げられていた牛の頭骨


「私は静岡県の古い道路をあるいて居て、或一つの坂の崖下に、四角な穴を掘り窪めて、本ものゝ馬の頭骨を安置したのを見たことがある。奥羽地方でも人の家の入口などに、杙を打つて同じやうな馬の首を、幾つか掛けて置く風があつたことが、今はどうか知らぬが、以前の紀行文には見えて居る。」
これは1950(昭和25)年に記された『年中行事覚書』(柳田國男)の一文。馬の首をまつる風習があったことが知られる。飼っていた馬の遺骨を、家の戸口や集落の出入り口に掲げて魔除けとしたのだろう。
 写真は馬ではなく「牛」の頭骨。青森市内の農家の厩(うまや)に掲げられていたものである。厩猿(うまやざる)といって、サルの頭蓋骨を厩に懸けて魔除けとし、馬の安全を祈るという風習は一般的だが、牛の頭蓋骨を掲げるのは珍しい。聞けば、近隣の農家数件も掲げていたという。(77歳男性)。農耕を助けてくれる牛馬は、農家にとって大切な宝だった。飼っていた牛が死んだのち、家を守り続けてほしいという願いから掲げられたものかもしれない。
(県立郷土館研究員 増田公寧)
by aomori-kyodokan | 2014-09-11 15:20 | ふるさとの宝物
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