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青森県立郷土館ニュース

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ふるさとの宝物 第75回  サルケ

薪に代わる貴重な燃料

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サルケ。「冬の季節展」で展示した


  岩木川下流域には湿地帯を開墾してできた新田地帯が広がっている。海や山から離れたこの平野部では、燃料となる薪(まき)を手に入れることが難しかった。代わりに重宝されたのが「サルケ」である。
植物の遺骸が冷涼な気候によって分解が進まないまま堆積したもので、「泥炭」や「草炭」ともいわれる。サルケは田や溜池などから掘り出されたが、場所により品質は異なり、煙が少なく火持ちのよいものが良品とされた。例えば1931(昭和6)年刊の『津軽口碑集』には「柴田さるけ」(つがる市木造柴田産)が一種のブランド品であったと記される。よいサルケを求めに訪れる者もあった。
サルケは主にシボド(炉)でたかれ、暖房や採暖のほか、煮炊きにも用いられた。ただ「サルケのくべたてや婿逃げる」と言われるほど、煙たさは並大抵のものではなかった。「隣の人の顔も見えないほどだった」「目を病んだ」「独特の匂いが着物に染み付いた」など煙にまつわる話は尽きない。一方で強烈な煙には茅葺きの屋根や結び縄などの腐食や虫害を防ぐという利点もあった。
(県立郷土館研究員 増田公寧)
by aomori-kyodokan | 2014-12-04 09:51 | ふるさとの宝物
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