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ふるさとの宝物 第84回 氷冷蔵庫

空気の特性 うまく利用


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氷冷蔵庫の扉を閉めた状態(写真上)と開けた状態(写真下)。上の段には氷を入れて使用する。

 「氷冷蔵庫」は、今の冷蔵庫と同様食品を保存する道具であるが電気を利用して保存するものではない。上の小さな扉を開けてその中に氷を入れて利用する。氷冷蔵庫の中の物を冷やす仕組みは、空気の特性にある。その特性は、暖かい空気は上に上昇し、冷たい空気は下に下降する空気の循環をうまく利用したものである。
 氷冷蔵庫は1897(明治30)年ごろから魚を輸送するために利用されるようになった。1908(明治41)年には国産の氷冷蔵庫が発売された。しかし、氷冷蔵庫の普及が進まなかった。その理由は、値段が高く、氷を手に入れるのも難しかったほか、野菜や魚貝中心の食事で新鮮な魚を手に入れることが簡単であったからである。
 氷冷蔵庫が一般家庭に普及し始めたのは昭和30年代である。青森市内では、氷冷蔵庫を所有する人が多かったようだ。
 県立郷土館の出前授業では、子供たちが氷冷蔵庫の扉を開閉して、先人の知恵や工夫を実感しながら当時の食生活について理解を深めている。当時と現代の食生活や日常生活を比べると、現代がいかに恵まれているかを氷冷蔵庫は教えてくれるのである。
(県立郷土館学芸主査 伊丸岡政彦)
by aomori-kyodokan | 2015-02-19 11:16 | ふるさとの宝物
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