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ふるさとの宝物 第96回 シラガミクワガタ

植物で唯一「白神」の名
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県立郷土館に展示しているシラガミクワガタのレプリカ


 この花は、山地の岩場に生えるオオバコ科の多年草で、初夏にきれいな紫色の花を咲かせる。地下茎から数本の茎が伸び、高さは20cm前後になる。山地といっても、どこの山地でも自生しているのではなく白神山地にのみ自生する固有種である。それが「シラガミクワガタ」という名前の由来となっている。
 このシラガミクワガタは、青森県立郷土館が開館直後だった1973年頃、当時学芸課研究員だった原子一男氏が林道沿いで発見した。当時はミヤマクワガタの品種のミチノククワガタであるとされた。それから20年経ち、1993年にミヤマクワガタの変種のシラガミクワガタと発表・命名されたのだ。ミチノククワガタと比べると花が大きく葉の縁のギザギザ(鋸歯、きょし)が規則的になっていることで区別できる。
 シラガミクワガタは、青森県のレッドデータブック(2010年改訂版)で重要希少野生生物に区分されている。採取などにより激減しているためである。「白神」の名を冠しているこの植物にいつまでも自生していてほしいと願うばかりである。 
 なお、青森県立郷土館の自然展示室にはいつでも見ることができるようレプリカを展示している。
(県立郷土館 主任研究主査 豊田雅彦)
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by aomori-kyodokan | 2015-05-28 15:01 | ふるさとの宝物
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