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青森県立郷土館ニュース

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写真で見るあおもりあのとき 第75回「柳町の平和祈念像 交通量激増で移動」

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↑ロータリー中央に平和祈念像が立つ、青森市の国道4号と柳町通りの交差点=昭和35年、佐藤正治氏撮影



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↑同交差点の現在(雪のない時期)の様子=櫻井省一氏撮影

 上の写真は昭和35(1960)年の、青森市の国道4号と柳町通りの交差点です。柳町通りは昭20(1945)年3月、空襲による延焼防止のため「建物疎開」が実施され、現在の幅約50㍍に拡張されました。同市の空襲は東北最大級で、市街地の90%を焼失したといわれています。当時の青森県知事・金井元彦氏は、市民を慰め励ますため、平和祈念像の建立を発案。弘前市出身の彫刻家三国慶一氏に依頼し、市民の募金により昭和23(1948)年7月28日(青森大空襲の日)に建立されました。

 当時は国道といえども交通量は少なく、現在と同じ道幅ではむしろ広すぎるほどでした。写真を見るとロータリー付近は片側1車線です。しかしその後、交通量は激増。ロータリーに衝突する車が相次いだことから昭和38(1963)年に撤去され、観音像は交差点の北60㍍のところに移動しました。写真右奥には市民会館が写っています。

 昭和55(1980)年、像は潮風と排ガスによる傷みのため修復。平成5(1993)年には、柳町通りが地下駐車場設置などの再開発事業を行います。像は再度、撤去修復しましたが、屋外設置は危険との判断で、平成10(1998)年に原型から鋳造し直し、新像をさらに北に10㍍移動し、南を向くように設置しました。以前は青森の北の玄関・青森湾を向いていました。

 初代の像は現在、文化会館4階に展示してあり、慈しみ深い表情の像に、より間近で出会えます。
(県立郷土館客員学芸員・安田道)
by aomori-kyodokan | 2012-01-26 08:46 | 写真で見るあおもりあのとき
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