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青森県立郷土館ニュース

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写真で見るあおもりあのとき 第72回「注連縄奉納の裸参り 今も津軽地方に残る」

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↑子供を含め、ふんどし姿も勇ましい男達と、わらで作った日章旗、柳樽、注連縄などの奉納物=昭和30年代、藤崎町常磐



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↑雪の中、注連縄と奉納物とともに練り歩く裸参りの行列

 津軽地方の各集落には神社には、拝殿や鳥居などに大きな注連縄が張られているのをよく見かけます。注連縄(しめなわ)のことをトシナ(年縄)といいますが、年の初めには新しいものと取り替える習わしになっています。大晦日から元日にかけてワラ製の大きな注連縄を奉納する行事が各地で行われてきました。

 中には男性が裸になって注連縄を担ぎ、行列を組んで神社に奉納する勇壮な行事が津軽地方の何カ所かに伝わって今でも行われています。そのひとつが藤崎町常盤地区で元日に行われている「常盤八幡宮年縄奉納裸参り」です。この行事は寛文四年(一六六四)から約三百年の歴史がある五穀豊穣(ごこくほうじょう)、家内安全を祈願する伝統行事だとされています。

 写真は昭和三十年代に撮影されたものですが、当時は青年団が中心になって行われていました。青年団がなくなった今では常盤地区コミュニティ協議会が組織され伝統を受け継いでいます。この写真を見ると大きな年縄のほかワラで細密に作られた日章旗、柳樽などが五、六十年前とほとんど変わりなく作られ、伝統が保たれていることがわかります。
(青森県立郷土館客員学芸員 成田 敏、写真は野呂善造氏撮影)
by aomori-kyodokan | 2012-01-05 09:15 | 写真で見るあおもりあのとき
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