↑踊り子たちが舞台に繰り広げる華やかなショー=青森市本町の「ゴールド」
↑夜空に灯る「ゴールド」のネオン
↑マッチ箱
上の写真は青森市本町二丁目にあった、キャバレー「ゴールド」の店内風景です。キャバレーとは、ダンスが踊れる広いフロアや、ショーが上演できる舞台を備えた酒場のことで、青森市内ではすでに昭和26(1951)年にその先駆けとなる店が開店しています。戦後の開放感のなかで、娯楽としてのダンスブームの波に乗り、昭和30年代にかけてキャバレーやダンスホールが次々に開店しました。
「ゴールド」もその一つで、昭和20年代後半に開業、その後移転新築された店舗には2階席が設けられ、写真のような踊り子によるショーも上演されました。当時を知る人に尋ねると、上流階級の人々が利用する格式ある社交場というイメージがあったといいます。また、ここで働いていたホステスさんが独立して店を構える際には、「ゴールド」出身であることが一種のステイタスとなるため、源氏名をそのまま店名とする習慣もみられたそうです。
しかし、一時代を象徴した華やかな世界も、昭和40年代後半に入ると、石油危機による自粛ムードやディスコの出現などによって次第に過去のものとなっていきました。
(青森県立郷土館 増田公寧。写真はいずれも昭和30年代に藤巻健二氏が撮影)