↑東北本線が全線複線・電化となり、ダイヤ改正日に青森駅で行われた出発式=1968年10月1日、藤巻健二氏撮影
↑「東北本線全線・複線電化」の完成記念入場券、阿部秀正氏所蔵
かつて東京と青森を結んでいた東北本線は、重要な幹線鉄道ながら改良が遅れていましたが、昭和四三年(一九六八)八月五日に全線複線化が完成、ほどなく全線電化工事も完成し、同月二二日に盛岡―青森間に電気機関車が走り始めました。
同年九月九日、従来ディーゼルカーで運転されていた上野―青森間の特急はつかりは、寝台の設備を持ち、昼行・夜行両方に使える五八三系電車に置き換えられました。同年一〇月一日の全国ダイヤ改正ではその最高速度が一二〇キロに引き上げられました。これにより、同区間の所要時間は従来の一〇時間半から八時間半にまで短縮されました。その陰で、昔ながらの長距離普通列車は急速に姿を消していきました。
改正当日の青森駅では出発式が行われました。「ミスはつかり」から関係者に花束が手渡され、テープカットとともに、上野行き一番列車の特急「はつかり二号」は発車しました。続いて、駅前からパレード隊が出発、続いて、青森市の青森県営体育館(跡地は現アピオあおもり)で国鉄の主催する全線複線電化の記念式典が盛大に執り行われました。
(青森県立郷土館 佐藤良宣)
※青森県立郷土館では、県内の行事や街並み、農民の暮らしぶりなどを撮影した古写真を、広く県民の提供を受けるなどして収集しています。当館がこれまで集めた写真の一部を紹介しながら「ちょっと昔のあおもり」の記憶をたどってみます。(この項は、東奥日報社連載記事を転載したものです。)
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