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写真で見るあおもりあのとき 第61回「つがる工芸店の相馬 民芸の普及に力注ぐ」

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↑弘前市の山道町にあった「つがる工芸店」。看板は棟方志功が揮毫した。



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↑つがる工芸店の店主・相馬貞三。長年、志功と交流があった。

 弘前市一番町の坂を下り、蓬莱橋を過ぎると程なく、左手に一戸時計店の時計台が見えてきます。その真向かいを右手、弘南電鉄側へ折れると、急に細い路地となり、人通りもグッと少なくなります。その一角、山道町6番地にかつて、民芸品を取り扱う「つがる工芸店」がひっそりと店を構えていました。

上の写真は昭和48(1973)年8月に撮影された店の外観です。入り口には、墨で黒々と店名が書かれた棟方志功画伯揮毫の看板が掲げられていました。店主相馬貞三と棟方志功との長年の交流から、開店に際し、贈られたものです。

 相馬貞三(写真下)は明治41(1908)年旧平賀町の旧家に生まれ、文化学院在学中に民芸運動の創始者柳宗悦と知り合い、昭和15(1930)年には青森県民芸同好会を発足させました。棟方とも民芸の関係から交流が始まり、二人の語らう姿は「犬がじゃれ合っているようだ」と周囲に言われる程でした。昭和28(1953)年には土手町にあった店を山道町に移転し、平成元(1989)年に亡くなるまで民芸の普及に力を注ぎました。

 現在は娘婿の會田秀明さん・美喜さん夫妻が青森市桜川に青森店を新たに建て、相馬貞三が青森に灯した「民芸の火」を守り続けています。
(青森県立郷土館 相馬信吉)
(写真はいずれも、會田秀明氏が昭和48年に撮影)

※青森県立郷土館では、県内の行事や街並み、農民の暮らしぶりなどを撮影した古写真を、広く県民の提供を受けるなどして収集しています。当館がこれまで集めた写真の一部を紹介しながら「ちょっと昔のあおもり」の記憶をたどってみます。(この項は、東奥日報社連載記事を転載したものです。)
 昔の写真などをお持ちの方は、青森県立郷土館(電話017-777-1585)までご連絡ください。
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by aomori-kyodokan | 2011-10-20 08:47 | 写真で見るあおもりあのとき
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