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青森県立郷土館ニュース

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地域展「十和田湖・八甲田山」 新聞連載第4回「自然の美しさ 多くの画家や作家魅了」

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↑鳥谷幡山の「十和田湖西湖図」



 青森県を代表する観光スポットのひとつ十和田湖、八甲田山は昔も今も、その自然の美しさで訪れる人々を魅了してやまない。もちろん美を追究する画家達はなおさらその大自然が持つ神秘的な美しさに心を奪われてきた。その結果、多くの作家達が県内はもとより、全国各地から当地を訪れ、十和田湖・八甲田山から受けた感動を作品に描き残している。

 しかし、この十和田湖、八甲田山が景勝地として世に広く紹介されるようになるのは明治48年8月に大町桂月が政治評論家、鳥谷部春汀に誘われ当地を訪れ、雑誌「太陽」10月号に発表してからのことである。それまでは、十和田湖は古くは修験者の修業地として知られてはいたが、古来からの大自然がそのまま残る、人々が容易に入り込めない未開の地であったのである。この未開の地を探検し、その美を広く世に知らせ、今日の賑わいの発端となったのが、七戸町出身の日本画家の鳥谷幡山(1876-1966年)であった。
 幡山の十和田湖初探訪は明治28年のことである。6月1日に七戸を出発、一人で行くにはあまりに困難なため、十和田詣での一行6人を待ち受け、苔に足をすべらせ、岩をのりこえ、道無き道を助け合いながら、ようやく6日に休屋に到着した。7日に十和田神社を参拝し、8日は有志で舟を出して湖水を巡遊した。
 この探訪により、十和田湖に神の存在を感じるほどの深い感銘を受けた幡山は、十和田湖を「神苑霊湖」と讃え称し、十和田湖の喧伝にその生涯を費やすことになる。

 探訪後、東京在住の青森県東南三郡の出身者による組織「奥南郷友会」に幡山が招かれ、そこで五戸出身の春汀と出会い、これが縁で互いに十和田湖の顕彰を誓いあうようになり、冒頭で述べた桂月の雑誌「太陽」への発表へとつながって行くのである。

 本展では、幡山の日本画の作品や、画帖、著書を展示するほか、今純三の油彩画、平版画、銅版画による八甲田・奥入瀬シリーズの作品、松木満史の油彩画「八甲田山」、加藤武夫の多色木版画「奥入瀬雪渓」、花田陽悟の多色木版画「新緑の頃」等を展示し、十和田湖・八甲田山に魅了された本県出身の画家たちの作品を紹介している。
(青森県立郷土館 對馬恵美子)

地域総合展「十和田湖・八甲田山」
7月15日(金)~9月11日(日)9:00~17:00
(期間中休館日なし)
青森県立郷土館 特別展示室
一般500円、高校・大学生240円
【講演会】
8月21日(日)「歴史資料からみた十和田湖・八甲田山」
8月28日(日)「十和田火山の活動と十和田湖伝説」
9月4日(日)「十和田・八甲田の昆虫たち」
時間:13:30~、場所:県立郷土館小ホール、無料
(お問合せ先:青森県立郷土館 017-777-1585)
by aomori-kyodokan | 2011-07-30 11:01 | 十和田湖・八甲田山
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