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地域展「十和田湖・八甲田山」 新聞連載第1回「地域と景観 大噴火を繰り返し形成」

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↑青森市高田朝日山から見た八甲田山。北八甲田(左)と南八甲田(右)の山の形の違いがよくわかる。八甲田山から手前の平野までの山麓部は、火砕流によって平坦な斜面となっており、堤川が深い谷を形成している。




 十和田八幡平国立公園にある十和田湖・八甲田山は、十和田火山と八甲田火山群という活火山であり、幾度もの大噴火を繰り返して形成された。八甲田火山群は、活動時期や噴火様式の違いから南八甲田火山群、八甲田カルデラ、北八甲田火山群に分けられる火山群の総称である。

 南八甲田火山群は、およそ110万年前から活動を始め、櫛ヶ峯を最高峰とする複数の成層火山体が形成された。さらに100万年前頃から、その北東側でも火山活動が始まり、少なくとも3回、大量の火山灰と火砕流が噴出して大きな凹地形(八甲田カルデラ)ができた。このうち76万年前に噴出した火砕流の堆積物は、青森市鶴ヶ坂の山々でシラスと称して採掘されており、採掘現場を見るとその厚さは20m以上もある。同じ火砕流堆積物が奥入瀬渓流でも見られるが、ここでは規則的な割れが発達した灰色の岩石(溶結凝灰岩)となっており、銚子大滝や馬門岩といった景観をつくっている。

 八甲田カルデラが活動を終えた後、カルデラ内には大きな湖ができた。湖は、およそ10万年前まで存在したと考えられるが、それまでにカルデラ内で北八甲田火山群が活動を始め、その噴出物やカルデラ壁を構成する地層に由来する岩石などが湖を埋め立てていった。さらに駒込川ができて湖水が流出し、湖はしだいに干上がっていったと考えられる。現在、湖の名残として田代湿原があり、その周囲には広大な田代平が広がっている。

 北八甲田火山群の活動は、およそ40万年前に八甲田カルデラ内で始まり、大岳を最高峰とする複数の成層火山体が形成された。大岳は3回の大きな噴火活動を経て形成されたと考えられており、5万年前以降も小規模な活動を行い、山頂付近の鏡沼や山麓の地獄沼ができた。現在も火山性ガスが発生している場所が見られるほか、火山活動に関係していると思われる温泉が湧くなど、その活動は続いている。

 現在、青森県立郷土館で開催している地域総合展「十和田湖・八甲田山」では、このような八甲田火山群の噴火史のほかに、そこに形成された豊かな森と人間の関わり、伝説の元になったと思われる十和田火山の火山災害などについて紹介しています。さらに、十和田湖・八甲田山が国立公園に指定されるまでの歴史的経過や観光面や産業面での利用、美術作品の題材や自然環境の研究対象となった例などについても総合的に紹介しています。この展示会を通して十和田湖・八甲田山の新たな魅力を発見していただきたいと思います。
(青森県立郷土館 島口 天)

地域総合展「十和田湖・八甲田山」
7月15日(金)~9月11日(日)9:00~17:00
(期間中休館日なし)
青森県立郷土館 特別展示室
一般500円、高校・大学生240円
(お問合せ先:県立郷土館 017-777-1585)
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by aomori-kyodokan | 2011-07-26 11:05 | 十和田湖・八甲田山
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