
↑毛皮を売る店(故佐々木直亮氏撮影)

↑街を行く人たち(故佐々木直亮氏撮影)
青森県は冬の寒さが厳しいため、防寒具として毛皮がよく用いられてきました。上の写真は毛皮を売っている露店で、場所は弘前市の旧かくはデパート前です。撮影されたのは昭和31年1月で、角巻を着た女性が毛皮を物色して様子がうかがえます。この場所では毎年のように毛皮を売る店が出ていました。
毛皮の材料にはイヌが多かったようですが、そのほかキツネやタヌキなどもあったかもしれません。下の写真は翌32年の1月の弘前市内の街の様子ですが、道を歩いている男性とリンゴや野菜を売りにきたと思われる女性二人のすべてが背に毛皮を着ています。当時、毛皮を着ていた人がいかに多かったを示している写真といえます。男性の毛皮は大きめで手を通す穴があいたものを、女性二人は小さめのものを背につけているように形や大きさもさまざまでした。
毛皮は家の中でも背に着たといわれています。炉やこたつにあたっていても当時の農家はすきま風が入ってくるような造りだったので背中が寒かったのです。しだいに、新しい素材の防寒具が出回るようになって毛皮は姿を消していったのでしょう。
(青森県立郷土館:成田 敏)
※県立郷土館は、県内の行事や街並み、農民の暮らしぶりなどを撮影した古写真を、広く県民の提供を受けるなどして収集しています。当館がこれまで集めた写真の一部を紹介しながら「ちょっと昔のあおもり」の記憶を52回にわたってたどってみます。(この項は、東奥日報社連載記事を転載したものです。)
昔の写真などをお持ちの方は、青森県立郷土館(電話017-777-1585)までご連絡ください。