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青森県立郷土館ニュース

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タグ:教育普及 ( 16 ) タグの人気記事

ふるさとの宝物 第189回 麻蒸し桶

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 写真は、民俗展示室にある麻蒸し桶である。下の大きな釜でお湯を沸かし切った麻を縦に並べこの木製の桶をかぶせて蒸した。固い麻はこの麻蒸し桶を使って蒸すことで柔らかくなりそこから麻糸となる皮を取った。綿花の栽培が困難だった地域では麻が貴重な衣服の原料であった。………


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by aomori-kyodokan | 2017-03-23 09:59 | ふるさとの宝物 | Comments(0)

ふるさとの宝物 第128回 自在鉤

鍋と火の距離を調節

県立郷土館の常設展示にある自在鉤
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 自在鈎は囲炉裏などの上につり下げて、鍋ややかんを掛けて使う道具である。ちなみに鈎とは、金属をL字に曲げたものや先のとがっている部分のことであり、以前紹介した天秤棒や鈎燭にも使われていた。
自在鈎は筒と棒と横木でできている。筒の中に棒を入れ、そこに鍋をかけると、横木との摩擦で棒が落ちずに固定される。あとは好みの長さに棒を上げ下げすればよい。
 鍋に入っている料理を温めたいときは、自在鈎の棒を長くして囲炉裏の火に近づけて温める。逆に火力が強い場合は、棒を短くして火から遠ざける。現在は、IH調理器具やガスコンロのつまみを調節するだけで火加減を調整できるが、昔は自在鈎の棒の長さを調節して火加減を調節していたのである。 県立郷土館で行っている「出前授業」でも紹介しており、子どもたちの興味を引く道具である。子供達に自在鈎を体験させると一生懸命に板を動かし仕組みや工夫について理解する。まさしく自在鈎は道具の工夫を発見する楽しさを与えてくれる名品である。
(県立郷土館学芸主査 伊丸岡政彦)

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by aomori-kyodokan | 2016-01-14 10:35 | ふるさとの宝物 | Comments(0)

ふるさとの宝物 第115回 手返 

慎重な扱い方教える名品

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 青森県立郷土館でおこなっている出前授業「古い道具と昔の暮らし」はとても人気である。子供たちは、衣・食・住3つのコーナーに分けてある道具の解説を聞き、体験活動をおこなう。今回は「衣」のコーナーの資料である冬の手袋「手返」(てっかえし)を紹介する。冬の手袋「手返」は津軽弁では「てけし・てもっこ」とも呼ばれている。
近頃は、手袋というと毛糸や木綿・布などでつくられたものを思い浮かべる人が多いと思うが、私たちが出前授業で取り扱っている手袋は、なんとワラを編んで作られている。写真のとおりきれいに規則正しく編んである。子供たちにてけしを手袋だよと差し出すと「えー本当?」と驚く。流石は子供達。「それをはいてもいいの?」と聞いてくる。「ごめんね。はけないんだ」と一言。本当は、「はいてもいいよ」と言いたいのに言えない現実。「どうしてはけないの」と子供達。「てけしを修理できる人がなかなかみつからないんだよ」と言うと、「てけしはとても大事な資料なんだね。そのほかの資料もとても大事なんだね」と子供達は納得し、てけしはもちろんその他の資料を大事に丁寧に扱うようになる。物を大切に扱う気持ちを子供達に与えてくれる「てけし」は郷土館の名品にふさわしいのではないだろうか。子供達には、人間の気持ちを大切にしてくれる人になってほしい。冷たさを温かさにかえる「手返」のように・・・。
(青森県立郷土館 学芸主査 伊丸岡 政彦)
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by aomori-kyodokan | 2015-10-08 13:22 | ふるさとの宝物 | Comments(0)

ふるさとの宝物 第102回 鉤燭(かぎしょく)

安全への工夫こらす


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 県立郷土館が学校を対象に行っている「出前授業」で人気がある授業が小学3年生の「古い道具と昔のくらし」である。衣・食・住に関係する多くの古い道具から先人の工夫がわかる子供達に人気のある道具を紹介する。その中でも子供の興味を引く照明の道具が「鉤燭かぎしょく」である。
 写真のように、鉤燭は窓の縁や柱のはりにかけるタイプ(写真左)と柱に打ち込むタイプ(写真右)がある。ちなみに鉤燭の「鉤」とは、金属製の先が曲がった棒状の部分のことである。「燭」はあかりのことで蝋燭ろうそくなどをさす。
かけて使う鉤燭は、縁や柱のはりのサイズにぴったり合うと安定するが、サイズが合わないときはブラブラし、地震などが発生したとき外れて家の床に落ち火事になる可能性が高い。だから、写真のように「火要慎(火の用心)」と書かれてある。一方、打ち込んで使う鉤燭は、柱に直接打ち付けることで、ブラブラすることもなく安全に照明器具として使用することができる。
 子供たちに、「どちらが安全につかえますか」と質問すると、柱に打ち付けるほうの鉤燭と答える。同じ道具でも安全に使用するために工夫し使うことが先人の知恵から子供達に伝わった瞬間である。
(県立郷土館学芸主査 伊丸岡政彦)
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by aomori-kyodokan | 2015-07-09 10:10 | ふるさとの宝物 | Comments(0)

ふるさとの宝物 第84回 氷冷蔵庫

空気の特性 うまく利用


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氷冷蔵庫の扉を閉めた状態(写真上)と開けた状態(写真下)。上の段には氷を入れて使用する。

 「氷冷蔵庫」は、今の冷蔵庫と同様食品を保存する道具であるが電気を利用して保存するものではない。上の小さな扉を開けてその中に氷を入れて利用する。氷冷蔵庫の中の物を冷やす仕組みは、空気の特性にある。その特性は、暖かい空気は上に上昇し、冷たい空気は下に下降する空気の循環をうまく利用したものである。
 氷冷蔵庫は1897(明治30)年ごろから魚を輸送するために利用されるようになった。1908(明治41)年には国産の氷冷蔵庫が発売された。しかし、氷冷蔵庫の普及が進まなかった。その理由は、値段が高く、氷を手に入れるのも難しかったほか、野菜や魚貝中心の食事で新鮮な魚を手に入れることが簡単であったからである。
 氷冷蔵庫が一般家庭に普及し始めたのは昭和30年代である。青森市内では、氷冷蔵庫を所有する人が多かったようだ。
 県立郷土館の出前授業では、子供たちが氷冷蔵庫の扉を開閉して、先人の知恵や工夫を実感しながら当時の食生活について理解を深めている。当時と現代の食生活や日常生活を比べると、現代がいかに恵まれているかを氷冷蔵庫は教えてくれるのである。
(県立郷土館学芸主査 伊丸岡政彦)
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by aomori-kyodokan | 2015-02-19 11:16 | ふるさとの宝物 | Comments(0)

ふるさとの宝物 第81回  天秤棒と水桶

水くみの苦労を体験

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出前授業で使われる水桶と天秤棒。子どもたちが水くみを体験できる


 県立郷土館が行っている出前授業「古い道具と昔の暮らし」では、電気・ガス・水道がなかったころの農家の暮らしに関係する道具を主に扱っている。その中で、子どもたちに人気のある体験活動の一つに「天秤棒」と「水桶」がある。 
子どもたちに「水道がなかったころ、水はどうやって手に入れていたのかな?」と、聞くと「井戸や川から汲んでくる」と答えが返って来る。「誰の仕事だったのかな?」と、当時の写真を見せながら聞くと「子ども・・・」と答えが返って来る。そこで、「お父さん、お母さん、家族みんなが仕事していたから昔の子どもたちには手伝いではなく、仕事ととして水を汲んでいたんだよ」と伝える。子どもたちからはびっくりする顔、嫌な顔などいろいろな顔を見ることができる。
話が終わり体験の時間になると、子どもたちは意欲的に水桶を天秤棒で運ぶ。かつて、水道がない時代、家の近くに井戸や川があればよいが、近くにない子どもたちにとっては水汲みは重労働だった。当時の子どもたちの大変さをしのばせる貴重な体験である。
(県立郷土館 主任研究主査 豊田雅彦)
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by aomori-kyodokan | 2015-01-29 17:22 | ふるさとの宝物 | Comments(0)

ふるさとの宝物 第73回  かまどと羽釜

あちこちに先人の知恵


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持ち運びできるかまど(上)と羽釜


 「かまど」は、調理などで煮炊きをする時に利用する道具である。いろりに比べて辺に熱が放射などの形で逃げないほか、すすが漂わず、火が風で揺らがないなど調理をするのに効率が良い道具である。出前授業で利用しているかまどは銅製で真ん中に蛇口があり、持ち運び可能なかまどである。
 「羽釜」は、かまどにかけるために、まわりにつばをつけた飯炊き釜である。津軽地方では、「つばがま」とも呼ばれている。
 「かまど」と「羽釜」それぞれ先人の知恵が詰まっている道具である。子供達に、「かまど」の蛇口は何に使うのかな」と尋ねると子供達は「水道」と答える。そこで、「水道がないころの道具だよ」と一言。子供達は考えながら、「お湯がでる蛇口」と一斉に答える。今度は子供達に、「どうして羽釜につばがついているの」と尋ねると、子供達は「かまどに羽釜をかけたとき落ちないようにするため」「火が周りにはみ出さないようにするため」と答える。つまり子供達は、先人の知恵に気づいているのである。そして、新しい言葉を作り出す。「昔の道具は、たくさんの使い道があるんだね。一石二鳥ではなく一石三鳥だ」
(県立郷土館学芸主査 伊丸岡政彦)
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by aomori-kyodokan | 2014-11-20 09:46 | ふるさとの宝物 | Comments(0)

ふるさとの宝物 第70回  洗濯板

溝の曲線に先人の工夫

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 洗濯板は18世紀後半にヨーロッパで発明され、明治中期に日本に伝わって使用するようになった。それ以前の洗濯がどうだったのかというと、水でぬらした布を「もみ洗い」「足で踏みつける」「岩などにたたきつける」などの方法が一般的だった。洗濯板はその後、自動洗濯機が普及するにつれて使われなくなっていった。
 さて、洗濯板の「溝」に注目してほしい。溝が直線になっている洗濯板もあるが、写真の洗濯板は曲線になっている。この曲線には意味がある。「表」(写真左)は、石鹸を使った「洗い」に適している。上部に石鹸を置き、石鹸を少しずつ使って布を洗っていく。そうすると溝が石鹸の泡を受け止めるのだ。その泡を次の布・その次の布にも使う。少ない石鹸でたくさんの布を洗うことができる。「裏」(写真右)は「すすぎ」のときに使う。この形だと泡や汚れた水は下に落ちていく。きれいな水をどんどん使うと布をすすぐことができる。洗濯板の「溝」一つにも、先人たちの知恵と工夫が隠されている。
 小学生に行っている郷土館の出前授業「古い道具と昔の暮らし」では、ただ古い道具を紹介して終わるのではなく、先人たちの知恵や工夫を伝えるように心がけている。
(県立郷土館 主任研究主査 豊田雅彦 )
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by aomori-kyodokan | 2014-10-30 13:42 | ふるさとの宝物 | Comments(0)

ふるさとの宝物 第61回 手燭と「てど」

点火の仕組みに歓声

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先人の知恵が生かされた手燭(上)と「てど」(左)


 「手燭(てしょく)」とは、ろうそくを立てて持ち運ぶ移動用の燭台で、鉄や真鍮などの金属で作られている。「手持ち行灯(あんどん、別名てど)」とは、手に持って移動する行灯で、江戸時代には提灯が普及して部屋の中で使う照明器具へ変化したものである。
 出前授業で子供たちに、「電気が使えない状態で夜、トイレに行きたくなったらどうする?」と聞くと、「手燭をもってトイレに行く。」と子供たちは答えてくれる。「風が強かったら手燭使えるかな?」と聞くと少し考えて、「『てど』を使う。」と答えてくれる。「どうして『てど』なの?」と聞くと、「回りに紙がはってあるから。風でろうそくの火が消えないから。」と答えてくれる。つまり、子供たちは、『てど』が「手燭」よりも使いやすい道具であることに気づいたのである。また、「『てど』の蝋燭にどのようにして火をつける?」と聞くと、最初は、「手を『てど』の中に入れて火をつける」と答える子供たちが多い。「『てど』を良く観察してみて」と『てど』を子供達の前に差し出すと、「棒を上に引き上げてもいい?」と子供達。「引き上げてみてもいいよ」と引き上げさせる。「わぁーすごい」と歓声。またまた、昔の人の知恵に感動。このような感動を与える名品が「手燭」であり「手持ち行灯(てど)」である。
(県立郷土館学芸主査 伊丸岡政彦)

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by aomori-kyodokan | 2014-08-28 13:31 | ふるさとの宝物 | Comments(0)

ふるさとの宝物 第58回 炭火アイロンと火のし

明治から変わらない形

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炭火アイロン(上)と火のし


 炭火アイロンは、明治時代に広く普及した。明治時代の日本は、既に火鉢や行火(あんか)などで炭を利用していたので、炭を熱源とする炭火アイロンは日本人にとって都合のよいものであった。形をよく見てみると、現在のアイロンと大きく変わらない。それほどアイロンに適した形であった。違う点に着目すると、炭から出る煙を出す煙突が付いている。写真には写っていないが、後方部には空気穴がついていて、その開閉で火力の調節を行うことができた。
 では、炭火アイロンが普及する前はどうだったのかというと、火のしを使っていた。火のしは平安時代に中国から伝わり、江戸時代に広く普及した。上方部が広いため、炭の量で火力を調節でき、その点は炭火アイロンより簡単である。
 炭火アイロンの写真は、よく見ると「火のし(右から読む)」と書いてある。アイロンという名前が一般的になっていない時代は「火のし」の方が分かりやすかったのだろう。
 この炭火アイロンは、郷土館が行っている出前授業「古い道具と昔の暮らし」で、現在も数千人の小学生を相手に活躍中である。
(県立郷土館主任研究主査 豊田雅彦)
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by aomori-kyodokan | 2014-08-07 11:50 | ふるさとの宝物 | Comments(0)