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青森県立郷土館ニュース

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デーリー東北 連載「懐かしの南部鉄道」9

 10月1日から11月7日まで、五戸町図書館を会場に当館と五戸町教育委員会が連携して企画した特別展「なつかしの南部鉄道」(主催、五戸町・青森県立郷土館)が開催されます。39年間にわたって地域住民に親しまれた南部鉄道について、南部バス株式会社から五戸町に寄贈された資料を中心に紹介してその足跡をたどります。観覧は無料となっていますので、多くの方々にご覧頂きたいと願っています。

 特別展開催に先立ち、地元新聞社「デーリー東北」紙の毎週日曜日に10回の連載が始まりました。同新聞社のご好意により、紙面の画像データをネット公開できることとなりました。記して、感謝申し上げます。

第9回「尻内ー種差延長線」(平成22年10月17日掲載分)
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# by aomori-kyodokan | 2010-10-19 13:23 | 南部鉄道 | Comments(0)

10月16日 開催土曜セミナー「青森県のきのこと食中毒について」 配布資料

 平成22年10月16日、当館小ホールに於いて、標記のセミナーが当館職員工藤伸一(青森県きのこ会会長)によって行われましたが、その配布資料を下記に公開しますので、ご活用ください。

 なお、当日の講演の内容はユーストリームで録画を御覧いただけます。前半後半


1 きのことは

(1)きのこの実体について
ア きのこの本体
・ きのこは菌類の生殖器官 = 子実体
・ きのこ(子実体)は植物の花に相当
イ きのことカビ
・ きのことカビは同じ菌類の仲間
・ 肉眼で識別できる大きさの子実体をつくるものが「きのこ」

(2)自然界におけるきのこの役割
ア 有機物の分解
・ 動物や植物の遺がいを分解する ⇒ 森の掃除屋
イ 植物(樹木)の成長促進
・ 植物(樹木)と共生関係

(3)きのこの生態について
ア きのこの栄養の取り方
・ 腐生 = 生物の遺がいである有機物を分解して利用するきのこ
   ハナオチバタケ、ムラサキシメジ、シイタケ、マスタケ、マイタケなど
・ 寄生 = 生きた動植物に寄生して殺し、栄養分を摂取するきのこ
   オニナラタケ、ヤグラタケ、サナギタケなど
・ 共生 = ほかの生物とお互いに栄養のやりとりをするきのこ
   マツタケ、ホンシメジ、ベニテングタケなど
イ きのこの注意すべき性質
   ・ 重金属類の蓄積:カドミウムなど
   ・ 放射性物質の蓄積:セシウム137

(4)国内のきのこの種について
ア きのこをつくるグループ
 ・ 子嚢菌類と担子菌類
イ 名前が付けられている種
・ きのこ全体 = 2,500程度
・ 食用可能とされている種 = 200種程度
・ 有毒種 = 60種~240種以上
イ 国内に発生する推定種
・ 6,000~8,000種以上

2 青森県のきのこ状況

(1)本県におけるきのこ食文化
ア 東日本と西日本の違い
・ 秋の風物詩 - きのこ狩り
・ 全国のきのこ中毒件数のベスト10

(2)県内に発生するきのこの種
ア 名前が付けられている種
・ きのこ全体 = 700種程度
・ 食用に利用されている種 = 180種程度
・ 有毒種 = 40種~200種以上
イ 県内に発生する推定種
・ 4,000~6,000種以上

(3)県内で利用されている主な種
ア 市場に出回っている主なきのこ ⇒ 20種以上
・ ナラタケ(広義)、ムキタケ、ハタケシメジ、ホンシメジ、シモコシ、シモフリ
シメジ、シイタケ、ムラサキシメジ、クリタケ、ナメコ、アミタケ、ハナイグチ、
アイタケ、カワリハツ、ハツタケ、ホウキタケ、マイタケなど
イ その他個人で利用されている主なきのこ
・ ウスヒラタケ、ヒラタケ、サクラシメジ、タモギタケ、ブナシメジ、マツタ
ケ、バカマツタケ、タマゴタケ、カラカサタケ、コガネタケ、ササクレヒトヨ
タケ、ヌメリスギタケモドキ、ニセアブラシメジ、チャナメツムタケ、ヤマド
リタケモドキ、アンズタケ、ヤマブシタケ、ブナハリタケ、コウタケ、トンビ
マイタケ、キクラゲ、アミガサタケなど

(4)青森県で見られる主な毒きのこ
ア 二大中毒きのこ
 ・ クサウラベニタケ類とツキヨタケ
イ 致死性毒きのこ
 ・ ドクツルタケ、タマゴタケモドキ、フクロツルタケ、タマシロオニタケ、ドク
アジロガサ(コレラタケ)、シャグマアミガサタケ、カエンタケなど
ウ その他の毒きのこ
・ カキシメジ、ホテイシメジ、ベニテングタケ、イボテングタケ、ドクカラカサタケ、ヒトヨタケ、カオリツムタケ、ニガクリタケ、オオワライタケ、アセタケ類、ヒダハタケ、黄・赤系統のホウキタケなど

3 毒きのこについて

(1)毒きのこによる食中毒の症例
ア 腎・肝細胞壊死型
  ・ 人体の細胞を破壊し、肝臓、腎臓に障害を与え、死をもたらす種
     毒成分等 : アマニタトキシン類1)、モノメチルヒドラジン2)など
発症時間 : 1)8~15時間、2)4~6時間
主な種類 : ドクツルタケ、タマゴタケモドキ、シャグマアミガサタケなど
・ 赤血球を破壊し脂質の分解を阻害し、肝臓、腎臓に障害を及ぼす種
毒成分等 : 不明
発症時間 : 1~2時間
主な種類 : ヒダハタケ(特に生食時)
・ 下痢、頭痛、痺れ、腎・肝不全、脳障害等の全身障害で死をもたらす種
     毒成分等 : トリコテセン類
発症時間 : 30分
主な種類 : カエンタケ
イ 消化器系障害型
・ 胃腸を刺激し、嘔吐、下痢、腹痛を引き起こす種
     毒成分等 : イルジン類、ウスタル酸など
発症時間 : 30分~4時間
主な種類 : ツキヨタケ、カキシメジ、クサウラベニタケなど
ウ 神経性障害型
・ 自律神経に作用し、めまい、嘔吐、発汗、下痢等を引き起こす種
     毒成分等 : ムスカリン1)、コプリン2)
発症時間 : 1)30分~4時間、2)10~30分
主な種類 : アセタケ類、ヒトヨタケ、ホテイシメジなど
・ 中枢神経に作用し、手足のしびれ、幻覚、視聴覚障害、嘔吐等を引き起こす種
     毒成分等 : イボテン酸、シロシビン類、ジムノビリン類など
発症時間 : 30分~4時間
主な種類 : イボテングタケ、ヒカゲシビレタケ、オオワライタケなど
・ 手足の末端のはれ、壊死、末梢神経障害による激痛を引き起こす種
     毒成分等 : クリチジンなど
発症時間 : 6時間~1週間
主な種類 : ドクササコ

※ 1998年山と渓谷社発行「日本のきのこ」および2003年学習研究社発行「日本の毒きのこ」参考
(2)注意するべききのこ
ア スギヒラタケ
 ・ 急性脳症との因果関係についてのその後
 ・ シアン含有説

イ シモコシ
 ・ ヨーロッパで中毒による死亡例があるというが
 ・ 日本のシモコシは?

ウ カヤタケ属のきのこ
 ・ 最近中毒例が増えてきた種類
 ・ ナラタケとの混同
  
オ シャグマアミガサタケ
 ・ ヨーロッパでは食用とされているが
 ・ 缶詰の流通に注意
  
カ ニセクロハツ
 ・ 西日本で知られている致死性毒きのこ
 ・ クロハツには手を出すな
  
キ フウセンタケの一種Cortinarius orellanus
 ・ 中毒症状が現れるまで3日~3週間
 ・ 日本のフウセンタケ類は不明なものが多い

4 きのこ利用の際の注意

(1)食用と毒きのこの見分け方の注意
ア 古くからの誤った言い伝えに注意
イ きのこの食毒は簡単に分かるか
ウ 食毒を見分けるには種の特定が必要
エ 自分なりの見分け方を身につける

(2)毒きのこと類似種との見分け方
ア 二大毒きのこの見分け方
 ・ クサウラベニタケ類の特徴
ホンシメジ、ハタケシメジとの違い
 ・ ツキヨタケの特徴
ヒラタケ、ムキタケとの違い
イ テングタケ類の特徴 ~致死性毒きのこの多いグループ~
 ・ 傘のいぼ、柄の根元のつぼの状態
ウ その他の間違えやすい毒きのこ
・ イボテングタケとハタケシメジ
    傘のいぼの有無と柄の基部のつぼの有無
 ・ ドクツルタケとハラタケ
    ひだの色と柄の基部のつぼの有無
・ ニガクリタケとクリタケモドキ
    発生時期とひだの色
・ カオリツムタケとクリタケ
    子実体の変色性と匂い
・ オオワライタケとコガネタケ
      子実体表面の粉の有無

(2)きのこ利用の際の家庭における注意
ア 昔からの誤った言い伝えに注意
イ 調理方法の注意
 ・ 生焼け・生煮え注意
ウ 保存方法の注意
 ・ 古いものは食べない
  エ 貰いものは要注意
   ・ 最近中毒事故が多く見られる事例

5 食中毒防止のために

(1)公的機関の役割
ア 博物館 = きのこの生物学上の基礎知識の啓蒙
・ きのこの展示・鑑定会等の実施
イ 保健所 = きのこによる食中毒防止の啓蒙
・ 長野県の例 - きのこ衛生指導員制度
ウ きのこ販売市場 = 毒きのこ販売の防止
・ 販売可能種の限定
・ 限定の問題点

(2)民間団体の活用
ア 各地のきのこ同好会
   ・ きのこ同好会等開催の鑑定会と問題点
イ 青森県きのこ会の場合
・ きのこ鑑定員制度
 野生のきのこを用いた検定 → 食用種など100種、有毒種20種の判別

(3)中毒原因きのこの特定
ア 原因きのこの特定の必要性
 ・ 今後の中毒防止のために
イ 原因きのこの特定のためには
・ 調理きのこの保存

(4)中毒防止の課題
ア 有毒きのこの実態が不明
   ・ 種名の確定より食べることが先行
イ きのこ分類学の遅れ
   ・ キシメジ科の小型のきのこ - 食用の対象とされないものが多い
・ フウセンタケ科 - 販売される例は少ないが致死性の毒きのこもある
   ・ イッポンシメジ科 - ほとんどが有毒種なので注意
・ ベニタケ科 - 誤って販売される例が多く、致死性の毒きのこもある

(5)きのこをもっと勉強したい方のために
ア きのこの勉強方法
イ 図鑑の選び方
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# by aomori-kyodokan | 2010-10-16 17:08 | 土曜セミナー | Comments(0)

写真で見るあおもりあのとき 第11 回「生活の場だった川 放し飼いの牛も」

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↑昭和32年6月16日、青森市筒井橋付近(安田城幸氏撮影)
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↑上の写真の現在の様子(5月31日、筆者撮影)

 現在、青森市の市街地を流れる河川は、両岸・河川敷ともコンクリートで固められています。川への降り口も施錠され、降りることさえ許されなくなりました。かつて冬には白鳥が羽を休め、餌(えさ)やりを楽しんだのどかな風景も、なかなか見られなくなりました。

 写真は、昭和32(1957)年6月16日、北(下流左岸)側から撮影した青森市の筒井橋です。手前の河川敷では乳牛が放し飼いにされ、川岸には砂利運搬用とみられる小舟も見えます。川がまだ生活の場であったころと分かります。左上に写っている建物は旧筒井町役場で、隣接する建物は筒井小学校です。同町は昭和30(1955)年、青森市と合併しましたので、この時は青森市役所筒井支所になっていました。同支所は、しばらくの間ここにあり、青森高校東隣に移転、平成16(2004)年3月に廃止されましたが、建物は現在もあります。

 筒井橋は、昭和27(1952)年竣工。現在下流側に歩行者用の橋が隣接、さらに下流側に赤いアーチ型水道橋がありますので、一見したところ同じ橋には見えなくなりました。
(青森県立郷土館・安田道)



※県立郷土館は、県内の行事や街並み、農民の暮らしぶりなどを撮影した古写真を、広く県民の提供を受けるなどして収集しています。当館がこれまで集めた写真の一部を紹介しながら「ちょっと昔のあおもり」の記憶を52回にわたってたどってみます。(この項は、東奥日報社連載記事を転載したものです。)
 昔の写真などをお持ちの方は、青森県立郷土館(電話017-777-1585)までご連絡ください。
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# by aomori-kyodokan | 2010-10-14 09:10 | 写真で見るあおもりあのとき | Comments(0)