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青森県立郷土館ニュース

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ふるさとの宝物 第109回 透明樹脂標本

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ヤマメの透明樹脂標本。下からの姿もじっくり観察できる


 自然展示室には魚の展示コーナーがある。「ヤマメ」はサケ科の魚で、川の上流域に生息し「渓流の女王」と呼ばれている。「ヤマメ」は「サクラマス」と同種の魚であり、ヤマメは川で過ごし、川から海へ下った個体がサクラマスである。
ヤマメの側面には「パーマーク」と呼ばれる楕円形(だえんけい)の模様が特徴的であるが、サクラマスは、海へ下る頃にはこのパーマークが消え、銀色の体になっていく。側面からパーマークを見てヤマメと気づく人は多いと思われるが、下から見てヤマメと判断するのは難しいのではないだろうか。
 そこで、様々な角度から生物を観察して欲しいという願いを込め、ヤマメを含めて6種の魚を透明樹脂に封入した標本にして展示している。今後、直接手で触れなくても観察できるよう両生類・爬虫類及び甲殻類の樹脂標本を作成・展示していく予定である。是非、一度足を運び、手にとってじっくりと観察して欲しい。
(県立郷土館主任研究主査 豊田雅彦)
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by aomori-kyodokan | 2015-08-27 11:31 | ふるさとの宝物 | Comments(0)

ふるさとの宝物 第108回 土偶(大曲遺跡出土)

まるで近未来的なマスク

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弥生時代前期砂沢式の土偶


 土偶は極めて縄文的な遺物である、といわれる。というのも、縄文時代、特に東日本で数多くつくられた土偶は、弥生時代になると日本の多くの地域で、姿を消すからである。そこには縄文的な信仰体系が変質したことが窺われる。
 この土偶は青森県鰺ヶ沢町大曲遺跡(現在の大曲(1)遺跡)で出土した弥生時代前期砂沢式のものである。顔面が特徴的である。高く盛り上がった水平なラインは眼か、はたまた眉の表現か。近未来的なマスクを被ったようにさえ見える。腕はほぼ水平に開き、脚はがに股。まるで土俵入りの横綱のようだ。実は、このころの土偶は縄文晩期の遮光器土偶から次第に変化していったものなのである。砂沢式土器も最後の縄文土器とよく似ている。そのほか引き続きつくられる縄文時代の祭祀具もある。青森県の弥生時代は教科書に出てくる典型的な弥生時代像とはかなり違っていたのである。
(県立郷土館主任学芸主査 中村哲也)
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by aomori-kyodokan | 2015-08-20 17:20 | ふるさとの宝物 | Comments(0)

ふるさとの宝物 第107回 ケンヨシホタテ

南部町で産出する化石

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南部町剣吉産ケンヨシホタテ(殻高16.3センチ)



 ケンヨシホタテは、南部町の「剣吉(けんよし)」に分布する地層から産出するホタテガイのなかまの化石である。現在のホタテガイのなかまには、アズマニシキのように岩などに付着して生活するものや、ホタテガイのように海底に横たわって生活しながら敵が来ると泳いで逃げるものがいるが、ケンヨシホタテの生活様式ははっきりとわかっていない。
同じグループに分類される唯一の種に、700万~100万年前の東北地方~北西太平洋域に分布していたタカハシホタテがあり、これの北海道やサハリンの標本は、右の殻がとても重厚でよく膨らむという特徴をもつ。海底に横たわって生活し、成熟するまでは泳ぐことができるが、成熟後は殻が膨らんで重厚になり、海底からわずかに左殻が出る程度に埋れて生活していたと考えられる。
これに比べてケンヨシホタテの右殻は膨らみが弱く、重厚さがないものの、タカハシホタテと近縁であることから同じような生活をしていた可能性は高い。
(県立郷土館学芸課副課長 島口 天)
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by aomori-kyodokan | 2015-08-13 13:35 | ふるさとの宝物 | Comments(0)

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by aomori-kyodokan | 2015-08-10 08:30 | お知らせ | Comments(0)

ふるさとの宝物 第106回 津軽図譜「龍濱崎眺望図」

200年前の竜飛の景観

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 「津軽図譜」は弘前藩のお抱え絵師である百川学庵(ももかわ・がくあん。1799~1849年)によるもので、江戸後期の津軽地方の景観を描いた傑作である。
百川は幼くして江戸に出て、画壇の巨匠谷文晁(ぶんちょう)に出会い南画の作風を身につけた。「津軽図譜」は25枚の連作で、藩船や鳥・魚類なども描かれている。江戸詰の弘前藩士で画人の比良野貞彦が1788(天明8)年に8代藩主津軽信明とともに下国した際に描いた「外浜(そとがはま)画巻」が原作であると言われている。
 「竜飛」は、天文年間(1532~55年)の成立とされる『津軽郡中名字』の中の「龍濱(たつひん)」にあたると推測できる。
 絵の右側には津軽海峡を隔てた北海道の松前半島が描かれており、水平線上には小島(左側の大きい島)と大島(右側の小さい島)もある。地図で確かめるとわかるとおり、小島は竜飛崎から見て手前にあるので、大島よりも大きく、彩色も濃く描かれているのである。また、右上の絵の説明に「往来万国船」と書かれてあるとおり、よく見ると竜飛崎の岩礁の近くに白い帆が3つ小さく描かれていることに気付く。
 来年の3月にはいよいよ北海道新幹線が開業する。この絵が描かれた二百年ほど前に、海底の下を人が通るなどと誰が想像したであろう。
(県立郷土館学芸課副課長 竹村俊哉)
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by aomori-kyodokan | 2015-08-06 09:43 | ふるさとの宝物 | Comments(0)