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青森県立郷土館ニュース

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ふるさとの宝物 第81回  天秤棒と水桶

水くみの苦労を体験

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出前授業で使われる水桶と天秤棒。子どもたちが水くみを体験できる


 県立郷土館が行っている出前授業「古い道具と昔の暮らし」では、電気・ガス・水道がなかったころの農家の暮らしに関係する道具を主に扱っている。その中で、子どもたちに人気のある体験活動の一つに「天秤棒」と「水桶」がある。 
子どもたちに「水道がなかったころ、水はどうやって手に入れていたのかな?」と、聞くと「井戸や川から汲んでくる」と答えが返って来る。「誰の仕事だったのかな?」と、当時の写真を見せながら聞くと「子ども・・・」と答えが返って来る。そこで、「お父さん、お母さん、家族みんなが仕事していたから昔の子どもたちには手伝いではなく、仕事ととして水を汲んでいたんだよ」と伝える。子どもたちからはびっくりする顔、嫌な顔などいろいろな顔を見ることができる。
話が終わり体験の時間になると、子どもたちは意欲的に水桶を天秤棒で運ぶ。かつて、水道がない時代、家の近くに井戸や川があればよいが、近くにない子どもたちにとっては水汲みは重労働だった。当時の子どもたちの大変さをしのばせる貴重な体験である。
(県立郷土館 主任研究主査 豊田雅彦)
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by aomori-kyodokan | 2015-01-29 17:22 | ふるさとの宝物 | Comments(0)

ふるさとの宝物 第80回  津軽小僧

不思議な形の奇石

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平内町外童子産の奇石「津軽小僧」



 人間には、不思議なものに好奇の目を向ける性質がある。石の中にも不思議な形や色をしたものがあり、これまで石に無関心だった人々を関心から愛好の状態へ引き込む特異な魅力をもっている。このような“不思議な石”を「奇石」といい、江戸時代後期に近江の国の木内石亭が奇石を紹介した「雲根志(うんこんし)」という本を出版したところ、大変人気であったという。
 津軽小僧は、雲根志で扱ったような奇石を紹介・解説した「石・昭和雲根志(益富壽之助著、1967年発行)」で初めて紹介された奇石である。産地は平内町外童子、形状は豆形・まゆ形・指形・いも虫形といった簡単なものから人形に見えるユニークなものまであり,産地と形状から津軽小僧と名付けられた。これを読んで「欲しい!」と思った方もいるかもしれないが、産地でこれを探すのは容易ではない。
(県立郷土館主任学芸主査 島口 天)
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by aomori-kyodokan | 2015-01-22 17:17 | ふるさとの宝物 | Comments(0)

ふるさとの宝物 第79回  縄文人復原像

彫りが深い顔が特徴

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人骨を基に復原された縄文人の顔


考古資料は圧倒的に人間の使った道具が多く、人間そのものは少ない。縄文人復原像は出土した縄文人骨をもとに復原したもので、貴重な資料である。
 1971(昭和46)年、六ヶ所村の馬鈴薯原々種農場=現在の弥栄平(1)遺跡=で耕作中に縄文時代後期の大型壺形土器が見つかった。中には人骨が1体分入っていた。骨を収めた土器棺だったのだ。偶然の発見だったため、残念ながら写真や図面は残っていない。
人骨は人類学者による鑑定で20歳前後の若い女性であることがわかり、頭蓋骨から彫りの深い顔立ちが復原された。
 絵や人形で見る縄文人もこの復原像のように、出土した人骨から抽出された縄文人の特徴に基づいて描かれているのだ。
 展示室には復原像と併せて、土器棺・人骨も展示している。さらには土器棺を使った墓と関連する石棺墓(石を箱形に組んで作った墓)の模型もあるので、併せてご覧頂きたい。復原像があることで、墓やその背後にある精神性をリアルに感じることができるのではないだろうか。
(県立郷土館学芸課 主任学芸主査 中村哲也)
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by aomori-kyodokan | 2015-01-15 17:12 | ふるさとの宝物 | Comments(0)