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青森県立郷土館ニュース

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ふるさとの宝物 第48回 大平山元遺跡出土品

縄文草創期の貴重な資料

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 大平山元遺跡は、世界遺産登録をめざしている「北海道・北東北の縄文遺跡群」構成18遺跡のひとつであり、昨年、国史跡に指定された。旧石器時代末期から縄文時代草創期の環境・文化様相を表す最も重要な遺跡である。
 遺跡発見の始まりは、1971年に外ヶ浜町(旧蟹田町)の個人の畑で見つかった一つの石斧である。この資料は、当時の蟹田中学校社会科教諭を通じて当館に寄贈された。石斧は局部磨製石斧と言われ、旧石器時代末期の神子柴・長者久保文化を特徴づける石器である。御子柴・長者久保文化はこのような大型の石斧に、槍(やり)先形尖頭器・彫刻刀形石器・石刃等を伴う一方、土器は存在しない文化と考えられていた。
県内の旧石器時代の遺跡は現在でも10数例と少なく、県内に人々が存在していた起源を探る上でも、この遺跡の重要度は大変高いものであった。
 当館が75・76年にこの遺跡を発掘調査した結果、旧石器時代末期の典型的な石器に、縄文時代の無文土器片32点と石鏃が伴って出土した。旧石器から縄文時代への移行期の遺跡として、土器と縄文時代の始まりを考える上で一石を投じた。その後の町の調査で、土器片は約16,500年前のものと判明し、現在する日本最古の土器として、国内だけでなく世界からも注目された。
この石斧と当館調査資料は、常設展示している。なお、当時の社会科教諭は、その後も埋蔵文化財調査に携わり、現在は三内丸山遺跡応援隊長として活躍中である。
(県立郷土館主任学芸主査 杉野森 淳子)
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by aomori-kyodokan | 2014-05-29 09:58 | ふるさとの宝物 | Comments(0)

「おもちゃ百科図鑑~あそびの今昔~」観覧者数5,000名突破

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5,000人突破セレモニーの様子


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 現在開催中の企画展『おもちゃ百科図鑑~あそびの今昔~』は、おかげさまをもちましてこのほど観覧者数が5,000人を突破いたしました。ご観覧頂きました皆様に感謝を申し上げます。これからもご観覧をお待ちしております。会期も残りわずかとなりましたので、どうぞお早めにご来場ください。


【日時】4月25日(金)~6月11日(水) ※会期中は休館しません
【時間】午前9時~午後6時 ※入場は午後5時30分まで
【場所】青森県立郷土館1階特別展示(大ホール)
【料金】一般 310円(250円)、高校・大学生 150円(120円)
 ※ 小・中学生は無料。障がいのある方、老人福祉施設に入所の方は観覧料免除。
    ※ (  )内は20人以上の団体料金
 ※ 上記料金で全額(常設展示も)ご覧になれます。
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by aomori-kyodokan | 2014-05-27 14:15 | お知らせ | Comments(0)

ふるさとの宝物 第47回 石館守三自筆の色紙

新約聖書の言葉記す

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石館守三の自筆色紙


 石館守三(1901~1996)は、青森市生まれの薬学者である。数多い業績のなかで、最も注目されるのは、ハンセン病の治療薬の国産化に道を開いたことである。彼は旧制青森中学校に通っていた頃、家業である薬種商の手伝いで、薬を届けるため、療養施設である北部保養院(現 国立療養所松丘保養園。青森市石江にある。)を訪れ、ハンセン病患者と接したこときっかけに薬学の道に進んだという。1943(昭和18)年、アメリカのカービル研究所が赤痢の治療薬プロミンがハンセン病治療に効果があると発表した。その知らせを中立国経由で知った彼は、すぐに研究に着手し、独自にプロミンの合成に成功し、多くの患者を救っている。
当館では、彼の自筆色紙を展示している。そこには、「愛のほか何をも人に負うなかれ」と記されている。これは、『新約聖書』「ローマ人への手紙」第13章からとられたものである。大学時代以来の彼のキリスト教への信仰を示す資料のひとつであるといえる。
(学芸課 主任学芸主査 佐藤良宣)
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by aomori-kyodokan | 2014-05-22 09:55 | ふるさとの宝物 | Comments(0)

ふるさとの宝物 第46回 教育普及活動

セミナーや出前授業も

出前授業の様子

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博物館における「教育普及」とは、資料収集・整理保管・調査研究の成果を活用して、博物館の内外にわたって教育的事業を行う活動である。青森県立郷土館でも、たくさんの教育普及事業を行っている。そのうちのいくつかを紹介したいと思う。
「土曜セミナー」は歴史・文化・自然にかかわるテーマで行う講演会である。一般を対象として毎年5月~3月にかけて、毎週土曜日(13:30~15:00)に行っている。事前に申し込みをする必要はないので、当日足を運んでいただきたい。聴講は無料。
「ミュージアム探検隊」は、青森県の歴史・自然など、常設展示している資料に関するクイズを解き、郷土に関する知識と理解を深めるイベントである。問題は10種類あり、子どもを対象として、春休みと毎週土・日・祝日に行っている。参加無料。
「出前授業」は、当館所蔵の資料を小・中学校・特別支援学校などに運んで、授業を行うものである。毎年数十校実施しているが、人気事業のため利用が集中する1~3月は、申し込みがあっても実施できない学校も有り、とても残念に思っている。同様の内容を公共施設・一般団体向けに行うのが「移動博物館」である。どちらも無料で実施している。
(県立郷土館主任研究主査 豊田 雅彦)
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by aomori-kyodokan | 2014-05-15 09:54 | ふるさとの宝物 | Comments(0)

ふるさとの宝物 第45回 青森隕石

普通の石より少し重い

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 昨年2月15日にロシアのチェリャビンスク州に落下した隕石のことは記憶に新しいところであるが、青森市にも今から30年前の昭和59年(1984)6月30日に隕石が落下している。
 この隕石は、青森市南佃の印刷所のトタン屋根のひさしを突き抜け、地面に落下した。トタン屋根には長さ18㎝、幅6㎝ほどの裂けたような穴があき、隕石は2つの大きな破片といくつかの小さな破片に割れた。隕石の総重量は約320gあり、大きな破片の1つが当館に、もう1つが国立科学博物館に展示されている。隕石の種類としては最も一般的な普通球粒隕石であり、これはロシアに落下した隕石と同じ種類に分類される。
 この隕石には、割れた断面が灰色であるのに対して、表面は融けて黒い皮膜ができているという特徴があるほかに、手に持った感じが同じ大きさの一般的な石よりやや重く感じられるという特徴がある。このような特徴をもった石をみつけたら、それは隕石かもしれない。
(県立郷土館主任学芸主査〈現 副課長〉島口 天)
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by aomori-kyodokan | 2014-05-08 11:17 | ふるさとの宝物 | Comments(0)

ふるさとの宝物 第44回 環状注口土器

珍しいドーナツ型

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ドーナツのような形が特徴的な環状注口土器


 この土器がどういう構造になっているかおわかり頂けるだろうか?口縁部と注口はすぐにわかるだろう。問題は胴部である。上から見ると中心部には何もない。外見はドーナツのような形をしている。違うのはドーナツの本体が中空になっていることだ。いわば、ドーナツのコーティングだけが残されたようなものなのだ。大きさは両手のひらで持つとちょうど良い。青森市の宮田地区から出土した。
 中空のリング状の胴部を持つ注口土器は縄文時代後期から晩期にかけてつくられた。かなり珍しい形である。なぜこのような形の器が作られたのかはよくわからない。人面を表現したものもしばしばあるので、マツリの場で使われたのだろうか。本品に人面の表現はなく、縄文時代晩期中葉の流麗な文様が施されている。
環状または半環状の中空構造を持つ土器は関東地方から北海道南部まで広がっている。縄文時代の広範な交流をものがたる一例である。
(青森県立郷土館主任学芸主査 中村哲也)
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by aomori-kyodokan | 2014-05-01 11:10 | ふるさとの宝物 | Comments(0)