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青森県立郷土館ニュース

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ふるさとの宝物 第24回 蝦夷錦龍文打敷

アイヌと清国の交易品

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蝦夷錦龍文打敷えぞにしきりゅうもんうちしき 107.6cm×142.0cm


 江戸時代、アイヌの人びとは北東北・北海道・カラフト・千島に分住し、その地の自然環境に合わせた生活を営んでいた。農業を覚えて定住する者もいたが、基本的には狩猟や漁業で暮らしを立て、時には和人のために荷運びや鉱夫として働いた。また、中国大陸へ渡り、清国から下賜された品物を松前へ持ち帰る者もいた。いわゆる山丹交易である。
 そうした交易品のひとつが「蝦夷錦」で、昭和17(1942)年に鰺ヶ沢町で初めて確認されて以来、青森県では40例ほどが見つかっている。なかには「蘇州織造臣銘海」「蘇州織造臣舒文」と文字が織り込まれたものもあり、長江河口部の都市蘇州で織られた布地で作られた可能性が指摘されている。
 本品は、松前で漁場を経営していた小泊村の播磨屋六兵衛が安政5(1858)年ごろに入手し、仏事用の打敷に仕立て直したもの。龍の文様がみごとである。
(前県立郷土館研究主幹 本田 伸)
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by aomori-kyodokan | 2013-11-27 16:28 | ふるさとの宝物 | Comments(0)

ふるさとの宝物 第23回 こどもの国

家族の絆が深まる瞬間

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「夏休みこどもの国」でステンドグラス作りに挑戦する子どもたち


 「家族と一緒に…さらに絆を深める活動」。郷土館の教育普及活動の中に「夏休みこどもの国」がある。1996(平成8)年から毎年、夏休みや冬休みに行っているイベントで、もの作りや体験活動を通して子供の学習を支援すると同時に、郷土館に興味を持ってもらうことを目指している。
2013年度の「夏休みこどもの国」では、「ステンドグラスを作ろう!」と「君も化石博士!かっこいい化石レプリカを作ろう」を開催した。
 このうち、「ステンドグラスを作ろう!」では、郷土館のゆるキャラ・昆虫・車・風景画のステンドグラスを制作。刃物を扱う作業。怪我をしないようにと注意を払いながら子供と家族が寄り添ってステンドグラスを製作する光景がとてもいい。作品の完成とともに「できた!」という歓喜の声。子供と家族の絆が深まった瞬間。それもまた郷土館の宝物だ。
今後もより多くの子供と家族にこの瞬間を提供したいと考えており、冬休みは、「づぐりまわし大会」を開催する予定だ。
(県立郷土館学芸主査 伊丸岡政彦) 
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by aomori-kyodokan | 2013-11-27 16:22 | ふるさとの宝物 | Comments(0)

ふるさとの宝物 第22回 畑井メダル

生物学者の功績たたえ

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当館3階先人展示室は、青森県出身の著名人や県の発展に尽くした人物に関する資料を展示している。そのなかに、「畑井メダル」がある。
「畑井メダル」とは、国際的な学術団体である太平洋学術協会が、優れた業績を残した研究者に与えるメダルである。これは、平内町出身の生物学者である畑井新喜司(はたい しんきし。1876~1963)氏の太平洋地域での学術研究への貢献に応え、昭和41年に初めて作られたものである。
畑井氏は、1899(明治32)年シカゴ大学への留学を皮切りに、アメリカで25年の研究生活を送った。その間、シロネズミの研究を行い、これを実験材料とする後世の研究者に非常に貢献したと評価されている。1923(大正12)年に帰国し、東北帝国大学理学部での生物学科開設に関わった。翌年、同大学の臨海実験所を青森市浅虫に開設した。
同氏は、少年時代からミミズに興味を示し、長い間研究対象にしていた。著書『みみず』(1931年)では「蚯蚓礼賛(みみずらいさん)」という一文を冒頭に掲載し、ユーモアをまじえながら、釣りのえさとなり、土地を肥やし、何億年も地球に暮らしてきたミミズの偉大さを世の人の鑑(かがみ)として讃えている。
(県立郷土館主任学芸主査 佐藤良宣)
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by aomori-kyodokan | 2013-11-20 16:15 | ふるさとの宝物 | Comments(0)

日本アニメーション美術の創造者 山本二三展開催中

おかげさまをもちまして、この展示会は無事終了致しました。

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 山本二三(やまもと・にぞう)氏は、1978年、アニメーション作品「未来少年コナン」で最初に美術監督を勤めて以来、高畑勲・宮崎駿両氏の作品の背景画制作と美術監督を長くつとめてきました。山本氏の描く背景画のなかにある「二三雲」と呼ばれる独特の質感を持った雲は、アニメーションの世界でよく知られています。
 本展では、「天空の城ラピュタ」(1986)、「火垂るの墓」(1988)、「もののけ姫」(1997)、「時をかける少女」(2006)の背景画のほか、現場スケッチ、イメージボードなど約200点を紹介します。世代を問わず、どなたにでもお楽しみ頂ける作品です。ぜひご覧下さい。

【会期】11月16日(土)~1月13日(月) ※年末年始12/29~1/3は休館
【時間】午前9時~午後5時 ※入場は午後4時30分まで
【場所】当館1階特別展示(大ホール)
【料金】一般=800円(600円) 大学・高校=400円(300円)
※(  )は前売および20人以上の団体料金 ※中学生以下は無料
【主催】TTHAグループ(東奥日報社・東奥アドシステム・日立ビルシステム・青森設備工業)、RAB青森放送
【共催】青森県立郷土館

【問い合わせ先】東奥日報企画事業部 017-739-1249
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by aomori-kyodokan | 2013-11-20 08:58 | 企画展・特別展 | Comments(0)

ふるさとの宝物 第21回 松木満史の油彩画「牛」

文人知事が愛した小品

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松木満史「牛」

 1973年に、県立郷土館を設置したのは、文人知事として知られた竹内俊吉であった。「青森県の過去を振り返り、現在を見つめ、未来を考える」という設置の目的をあらわした竹内による一文が当館エントランスホールの壁面に掲げられている。
 文人知事といわれたように、竹内は芸術に造詣が深く、鋭い審美眼の持ち主であった。
 若き棟方志功の才能をいち早く見抜き、世に紹介したのは竹内であったし、戦前、東奥日報社の社員時代には、さまざまな美術展を開催したり、「サンデー東奥」という文化専門の紙面をスタートさせたりなど、本県の文化振興に多大な貢献をしている。
紹介の作品は、1頭の牛が描かれたB5判くらいの油彩画の小品で、描いたのは竹内と同じ木造町出身の油彩画家・松木満史である。この小品は竹内の親族から当館に寄贈いただいたもので、長く居間に掛けられていたという。
 竹内が毎日のように見続けていたこの小品が、時を経て当館の収蔵になったことに何か因縁があるような気がし、竹内が当館を設置した深い思いを考えさせられるのである。
(前県立郷土館学芸課副参事 對馬恵美子)
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by aomori-kyodokan | 2013-11-14 10:04 | ふるさとの宝物 | Comments(0)

ふるさとの宝物 第20回 白神山地の動植物

貴重な剥製や標本展示


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「シラカミクワガタ」などシラカミの動植物の標本や剥製が並ぶ展示室


 白神山地がユネスコ世界遺産(自然遺産)に登録されてから2013年12月で20年となった。白神山地は、青森県南西部から秋田県北西部に広がる13,000haに及ぶ広大な山地帯である。そこには人為的に手をつけられていないブナの原生林が世界最大級の規模で分布し、それが評価されて登録となった。
白神山地は標高が高くないにもかかわらず、氷河期の名残として多くの高山植物が分布し、その中には白神山地特有の植物である「シラガミクワガタ」や「アオモリマンテマ」などの貴重な植物も含まれている。豊かな自然は、「ツキノワグマ」や「ニホンカモシカ」をはじめとする多くの動物たちの生活の場となり、当館の自然調査で発見された「オロブレムス・ヤマウチイ(学名)」や「シラカミナガチビゴミムシ」などの甲虫が白神山地の固有種として見つかっている。自然展示室には、上記の動植物を含む白神山地に生息する動植物のはく製・標本が展示されている。
(県立郷土館主任研究主査 豊田 雅彦)
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by aomori-kyodokan | 2013-11-07 09:57 | ふるさとの宝物 | Comments(0)