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青森県立郷土館ニュース

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ふるさとの宝物 第4回 魚の缶詰

県内で盛んに製造、輸出

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魚のイラストが目を引くラベル


 赤を基調とした色あざやかなラベル。これらは戦前の青森で製造された缶詰に用いられたものである。北洋漁業の基地、中継市場としての地の利を活かし、青森では大正時代にサケ・マスなどの缶詰製造が本格化した。また、イワシが豊漁であったことから、これを利用した缶詰も盛んに製造された。イタリア人ジュセップ・ファブリーは現在の青森市郊外に工場を建設し、西洋の先進的な技術を用いてイワシ油漬缶詰などの製造をおこなった。地元の業者も刺激を受け、新しい製造技術を取り入れたことで品質が一段と向上。青森の缶詰は世界に認められる商品へと成長し、輸出も盛んになった。ひところは「缶詰の町」と呼ばれるほどの盛況であった。ラベルは、輸出向けに英語やフランス語で書かれたものが多い。缶詰業の華やかなりし頃がしのばれる。
(県立郷土館研究員 増田公寧)
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by aomori-kyodokan | 2013-06-27 09:08 | ふるさとの宝物 | Comments(0)

ふるさとの宝物 第3回 菅江真澄「外浜奇勝」

本県に残る貴重な直筆本

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「外浜奇勝」より「鳥総」の図


 2012年3月、江戸時代の紀行家として有名な菅江真澄の『外浜奇勝』が、青森市の成田家から当館に寄贈された。本書は、3度目の津軽滞在となる寛政8年(1796)6月1日から同10年7月9日までのできごとを綴った真澄の直筆本である。亀ヶ岡(つがる市木造)から出土した縄文土器、漁業用の四手網、山の木を伐った跡に立てる鳥総など精密な挿絵が添えられていて、考古学的・民俗学的に貴重な資料である。休山していた尾太山(西目屋村)の廃址の絵に添えて、純度98%の良質さで知られた弘前藩の秤量貨幣「尾太銀」の図を描くなど、歴史資料としての価値も高い。
 本書は真澄から弘前の俳人三谷句仏の手に渡り、さらに句仏から津軽家の用人山鹿高厚に贈られたことが分かっている。その後、大正11年(1922)に東京の古書店で売りに出されていたのを、青森在住の絵師佐藤蔀が買いとった。200年以上を経て当館に落ち着いたわけで、その道筋を思うと実に感慨深い。真澄の著作のほとんどは終焉の地の秋田県にあり、本県に残る直筆本として確実なものは、この『外浜奇勝』しかない。
(前県立郷土館研究主幹 本田 伸)
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by aomori-kyodokan | 2013-06-20 10:59 | ふるさとの宝物 | Comments(0)

ふるさとの宝物 第2回 美しき蝶の世界

見る角度で光沢変化

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美しい光沢を持つモルフォチョウ



 美しい蝶といえばどんな蝶を思いうかべるだろうか。
 日本を飛び出し、世界を見渡すと南米に世界一美しい蝶といわれるモルフォチョウがいる。「モルフォ」とはギリシャ語で美しいという意味だ。モルフォチョウは、CDなどの光ディスクのように見る角度で光沢が変わる青い羽を持っている。羽の表面についている鱗粉が光ディスクと同じ「構造色」という発色現象を起こすために角度によって光沢が美しく変化する。
 美しさでは、東南アジアに生息するトリバネアゲハも負けてはいない。鳥の羽のように大きく、そして美しい羽を持っている。アレキサンドラトリバネアゲハは世界最大の蝶としても有名で、現在はワシントン条約によって取引が厳しく制限されている。
(県立郷土館主任研究主査 豊田 雅彦)
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by aomori-kyodokan | 2013-06-13 10:57 | ふるさとの宝物 | Comments(0)

企画展「山内博尚コレクション 美しき蝶の世界」

b0111910_15391195.jpg 弘前市在住の山内博尚氏(70歳)は、県職員として職務に精励するかたわら、東南アジア・オセアニアなどに赴き収集を行うなど、長年蝶の研究を続けてきました。本展は、同氏から寄贈された貴重な標本約80箱を公開し、その業績を紹介します。


会期:6月7日(金)~7月15日(月) ※会期中の休館日はありません
時間:午前9時~午後6時     
会場:青森県立郷土館1階・特別展示室(大ホール)
料金:通常入館料 ※小・中学生、障がいのある方は無料

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by aomori-kyodokan | 2013-06-06 15:46 | 企画展・特別展 | Comments(0)

ふるさとの宝物 第1回 青森ヒバ

美林を作る「県の木」

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自然展示室に設置されているヒバ原木


 青森県立郷土館は、1973(昭和48)年9月20日に開館し、2013年で40周年を迎えた。当初は展示資料集めから出発し、風韻堂コレクションを始め、数多くの資料を県民等から寄贈いただいた。多くの方々の善意によって、今日の総合博物館としての県立郷土館がある。そのように収集され整理が終了した資料は、現在、約96,000点に及ぶ。この中から郷土の宝物である代表的な収蔵資料を順次紹介していく。
 自然展示室は、高い天井を展示に生かすため、設計当初からヒバ原木を設置する計画があった。ヒバは青森県を代表する常緑針葉樹で、別名ヒノキアスナロ(青森ヒバ)とも呼ばれる。その美しさから天然の三大美林の一つに数えられ、1966(昭和41)年には、青森県の木に制定された。
 展示しているヒバの原木は、むつ市大畑の国有林から伐採されたもので、当時の郷土館開設準備室の職員が積雪の中、現地に赴き営林署員とともに出品原木を選定し、原木5本を運搬、搬入し展示した。大変な作業であった。
(県立郷土館学芸員 山内智)
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by aomori-kyodokan | 2013-06-06 10:53 | ふるさとの宝物 | Comments(0)