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ふるさとの宝物 第187回 葬式饅頭 故人思い 大きさ競う

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  暑さ寒さも彼岸まで、冬もあと少しの辛抱だ。彼岸のお供えといえば団子。団子は大きいほうがいいらしい。
 お隣の秋田県能代市では「彼岸団子は、仏が帰るとき1個しか持ち帰れないから小さくしてはならない」、同横手市では「終(しま)いの日のミヤゲ団子が大きいと仏が喜ぶ」といわれる。
 本県でも、南部地方では「終い彼岸の団子は仏たちが持ち帰って比べ合うから大きく作る」「両手でつかめない位の団子を5つ供える」「人に負けず早く行くようにと直径20㌢くらいの団子を作る」といわれる。
 一方、写真は巨大な葬式饅頭(まんじゅう)。直径30㌢、重さ4㌔。これほど大きな饅頭を供えるのは、県内で三戸町と周辺の一部だけだ。
 なぜこれほど巨大なのか?同町で菓子店を営む男性によると「できるだけ大きな饅頭を供えて故人を送りたいという気持ちや、互いに競い合う気持ちからではないか」とのこと。
 ただし巨大化したのは戦後。比較的新しい習俗だが、動機は彼岸団子に通じるものがありそうだ。
(県立郷土館学芸員・増田公寧)


写真:1個あたりの大きさが通常の40個分に相当する葬式饅頭(県立郷土館蔵、複製。装飾品はイメージ)


by aomori-kyodokan | 2017-03-09 09:54 | ふるさとの宝物
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