人気ブログランキング | 話題のタグを見る
ブログトップ

青森県立郷土館ニュース

kyodokan.exblog.jp

ふるさとの宝物 第10回 十和田裸婦像のための小型試作

乙女の像 当初は1人

ふるさとの宝物 第10回 十和田裸婦像のための小型試作_b0111910_1016652.jpg
高村光太郎「十和田裸婦像のための小型試作」


 十和田湖畔に「乙女の像」が建立されて2013年で60周年となった。十和田国立公園15周年を記念して、十和田国立公園功労者顕彰会が高村光太郎に製作を依頼したものである。同会は明治末期に十和田湖を観光地として広く世に紹介した文人大町桂月、当時の青森県知事武田千代三郎及び十和田村長小笠原耕一の3名を顕彰するために結成され、会長には津島文治青森県知事が就任した。
光太郎は、まず小型と中型の試作を作り、小型試作は顕彰会に贈られ、その後長らく県庁秘書課の応接室に置かれていた。2011年の郷土館特別展「十和田湖・八甲田山」での展示をきっかけに、引き続きエントランスホールに常設展示することになったのである。
 乙女の像は当初、一人でポーズをとって立つ像が考えられていた。しかし、一人では淋しく感じられたので、同じものを向き合わせることにした。それにより、像と像の間に出来る左右対称の空間をも楽しむことができるというもくろみもあったという。
(県立郷土館学芸課副課長 竹村俊哉)
by aomori-kyodokan | 2013-08-08 10:13 | ふるさとの宝物
<< ふるさとの宝物 第11回 鹿島... ふるさとの宝物 第9回 県重宝... >>