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青森県立郷土館ニュース

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ふるさとの宝物 第16回 柳樽・風韻堂コレクション

第1号の貴重な資料

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収蔵品第1号の「柳樽」 


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展示会第1号の「風韻堂コレクション」県重宝・亀ヶ岡遺跡出土品

 1967(昭和42)年7月24日、青森県に明治百年記念事業審議会が設けられ「青森県立郷土館」の建設と「県民の森」の設置が同年11月4日付で当時の竹内俊吉知事に答申された。70年4月1日付で、教育庁内に郷土館開設準備室が発足した。同年6月には設計図ができ、いよいよ同年11月6日には建設工事起工式が行われ、73年9月20日に開館した。そして、2013年9月20日県立郷土館は開館40年を迎えた。
 博物館の基となるのは、どのような資料を収蔵するかにある。郷土館開設準備室では70年9月から本格的に資料収集活動を開始した。当時の職員が県内各地に赴き、郷土館設置の趣旨を説明し、資料収集の必要性を説いて廻り協力をお願いした。
 郷土館収蔵資料の一番最初の受け入れは1970年9月1日付で、酒を入れて贈ったり、婚礼、祭礼,棟上げに飾る酒樽の一種である「柳樽」である。明治中頃に製作し大正時代まで使用していたものである.手提げの柄を角のように大きく作り,竹たがを巻いて朱・黒漆を塗っています.中央には送り主の「福島」の名前が朱書きで書かれている。縁起の良い「柳樽」を最初の収蔵品として、その後多くの方々からご寄付をいただいた。現在収蔵数は約96,000点に及ぶ。
 1971年4月下旬、青森県内外から出土した縄文時代の土器、石器などの文化財の資料を収集調査し、全国的に知られていた青森市の医師大高興氏から、風韻堂と名付けた自宅の収蔵庫の収蔵品のすべてを郷土館に寄贈したいとの申し入れがあり、県重宝を含む一万一千点余の貴重な資料を収蔵庫が完成した 1973年に収納した。このコレクションは研究者から高い評価を得ている資料であり、郷土館収蔵品の核となる資料である。毎年開催している展示会の第一回目の開館記念特別展はこのコレクションを紹介する「風韻堂コレクション展」であった。以来、貴重な資料等や古里の素晴らしさを紹介する展示会を大・中・小規模含め数多く開催してきた。
 多くの方々の善意によって今日の総合博物館としての県立郷土館があり、開館40周年を迎えることができた。今後も県民の皆様と共に歩んで行きたいと思う。
(県立郷土館学芸員 山内智)
by aomori-kyodokan | 2013-09-19 10:11 | ふるさとの宝物
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