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ふるさとの宝物 第124回 佐藤米次郎作の蔵書票

豊かさ秘めた小さな世界

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佐藤米次郎作の蔵書票。下の鉛筆と比べると、小ささが分かる。


 蔵書票は、本の持ち主をあらわすために見返し(表紙の裏)などに貼るもので、書票、エクスリブリスともいわれる。持ち主の名前(文字)と絵で構成され、日本では明治期に知識人たちの間で広まり、その美しさ、デザイン性から現在では鑑賞、収集の対象として世界中にコレクターがいる。
 佐藤米次郎(1915~2001年)は青森市出身の版画家で、県内の風物や伝統芸能などを愛らしい子供たちの表情とともに表現した作品が数多くある。蔵書票作家、豆本作家としてもよく知られている。写真は、「読書」から連想される「ランプ」の蔵書票。同じモチーフでも様々なデザインがあり、見比べてみるのも楽しい。
制作者(作家)は、テーマを依頼されることもあるが、蔵書票を手にする依頼主の趣味や職業、出身地などを考慮して制作するという。手の中に収まる小さな世界に「私の本…」という依頼主の本へのこだわりと愛着が、さらに作家の依頼主へ思い、それを表現するための「わざと時間」がこめられる。
県立郷土館では、19日(土)から企画展「大・中・小~くらしの中のスケールあれこれ~」を開催。人間が生み出した「もの」の中から、小さな世界、蔵書票や豆本を紹介。小さな作品が秘める奥深さと豊かさを味わってほしいと思う。
(県立郷土館主任学芸主査 太田原慶子)
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by aomori-kyodokan | 2015-12-10 10:16 | ふるさとの宝物 | Comments(0)
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