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青森県立郷土館ニュース

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ふるさとの宝物 第118回  刺し子の見本

刺し子の見本

ずらりと並んだこぎん刺しと菱刺しの見本


 当館3階の郷土学習室「わくわく体験ルーム」」は、各常設展示を巡ってきての最終地点にあたり、ヅグリや福笑いなどの遊具で遊びながら、昔の暮らしを体験できるコーナーである。クイズラリーの答え合わせをすると、プレゼントをもらえるカウンターもあり、休日ともなると子供たちが楽しんでいる様子をよく目にする。
 この学習室の東側壁面に、本県の庶民文化を伝える代表的なものとして、コギンと菱刺しの見本が展示されている。「カチャラズ」「ベゴノクラ」など各種の紋を手のひら大の地布に刺したもので、コギン約50、菱刺し約20を台紙に貼り付けて掲示したものである。これらは、かつての解説員たちが一針一針刺して自作したもので、地元の女性たちが習い伝えた手業を自ら追体験しようとした、解説員たちの思いを感じさせてくれる資料でもある。
 テキスタイル・デザインの人気が高まってきたころ、この見本を借用したいという要望があったが、お断りしたことがある。これほどの数をそろえた刺し子の見本が空白となったとき、ほかに代替できるものがないからである。
(県立郷土館学芸課長 古川実)
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by aomori-kyodokan | 2015-10-29 11:16 | ふるさとの宝物
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