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青森県立郷土館ニュース

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ふるさとの宝物 第50回 洗濯機

形も洗い方もユニーク

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形も仕組みもユニークな洗濯機


 銀色に輝くナゾの球体。今から57年前(昭和32年)に発売された「洗濯機」である。
「(球体上部の)フタを開けるとシュッと音がして、衣類の汚れもシュッと落ちるような気がした」と語ってくれたのは、青森市内に住む72歳の男性。高校生の頃、新しもの好きな父親が購入し2台ほど使ったという。県内にも普及していたらしく、各地の資料館でしばしば見かける。それもそのはず、発売から6年余りで30万台を売り上げたヒット商品である。電気洗濯機に比べれば手頃な値段も魅力だった。
面白いのは洗濯の仕組み。「膨張圧力式」といって、球体内部に衣類を入れて湯を注ぎ、蓋を閉じて軽く回転。内部の空圧が高まったところでフタを開けると、瞬間的に圧力が低下し、汚れが繊維から剥離するという原理。取扱説明書は「わずか10秒間で洗える」と謳う。
 製造元の群馬県では、里芋を洗ったり、蚕の繭を煮たりするのにも使われたそうだ(上毛新聞社刊『上州風』)。青森ではどうだろう。洗濯以外で使われた方は、ぜひ情報のご提供を。
(県立郷土館研究員 増田公寧)
by aomori-kyodokan | 2014-06-12 17:46 | ふるさとの宝物
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