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ふるさとの宝物 第59回  マメコバチ

リンゴの受粉で大活躍

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マメコバチの巣。マメコバチは、ヨシの茎の中に卵を産む。8月末頃に成虫になるが、そのままヨシの中で冬を越し、春を待つ


 りんごは、他の品種の花粉がないと実を結ばないため、人や昆虫の手により別の品種の花粉を花のめしべに付ける授粉をしなければならない。りんご農家では、1955(昭和30)年頃から、確実に実を結ばせるために、人手による人工授粉を行うようになったが、これはかなりの手間がかかる。
 一方、昆虫による授粉の研究は、太平洋戦争直前に鶴田町の松山栄久(えいきゅう)氏が始めた。彼は、小型のハチであるマメコバチによる授粉をめざしてその増殖を手がけ、1944(昭和19)年には実用化に成功した。
その後も、各地でマメコバチに関する研究が行われた。藤崎町の竹嶋儀助氏は、1958(昭和33)年に『マメコ蜂とリンゴの交配』という指導書を発刊、1962(昭和37)年にはマメコバチ保存会を結成し、マメコバチを分譲する活動を始め、全国に15万匹を配布した。また、板柳町横沢のりんご生産者たちは集落全体でマメコバチの繁殖に取り組み、1979(昭和54)年に木村甚彌賞を受賞した。その後、農家の人手不足が深刻になるなかで、マメコバチによる授粉は急速に広まり、1997(平成9)年には普及率80%にまで達した。マメコバチはリンゴ農家の省力化に大いに貢献している。
(県立郷土館主任学芸主査 佐藤良宣)
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by aomori-kyodokan | 2014-08-14 11:55 | ふるさとの宝物 | Comments(0)
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