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青森県立郷土館ニュース

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ふるさとの宝物 第111回 鈴木正治の木彫「○△□」

創造膨らむ不思議な形

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「形そのものとしても、単純にものが表現できれば最高だと思う」と語った青森市出身の彫刻家鈴木正治(1919~2008年)の作品は、これまでにも何度か紹介しているが、写真は○△□と題する木彫。一本の細長い木の中に、○と△と□を彫り抜いたもの。一つ一つの小部屋のような空間の中に、○△□が閉じ込められた作品である。
○(球体)と□(立方体)は狭い空間の中で動く。しかし、△(三角錐)はどういうわけか上部と一部の側面が切り離されていないので動かない(動けない)。限られた空間の中で動くモノと動かないモノがある。なぜなのか。外側に出られないという限界がありながらも、動くことができる○と□。動けない△は、まるで空間の中で浮いている一瞬を表現しているようだ。
途中で頭の中に描いた設計図から離れ、彫ることをやめたのか、制作者にしかその意図は分からない。想像する楽しさを与えてくれる不思議な魅力をもつ作品である。
県立郷土館は、10月31日(土)まで、深浦町美術館で連携展「鈴木正治作品展」を開いており、この作品をはじめ、絵画や版画約50点を展示している。)
(県立郷土館主任学芸主査 太田原慶子)
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by aomori-kyodokan | 2015-09-10 11:48 | ふるさとの宝物 | Comments(0)
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