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ふるさとの宝物 第77回  加藤武夫の豆本「木版画小品集(モスリンブック)」

出来栄え 志功が賞賛

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>加藤武夫の豆本。手前のペンと比べれば小ささが分かる


 版画家加藤武夫は、1961(昭和36)年から1971(昭和46)年までにかけて、木版画で制作した県内各地の景勝地の風景を十数点集め、製本した豆本「モスリンブック」を7巻私刊した。加藤は「モスリンブック」ができる度、棟方志功に贈呈し、それに対して棟方も必ず加藤へ礼状(はがき)を出した。61年6月25日付の志功の葉書には「内容の板画みな、まとまって小気味よい出来栄えです。」とあり、また棟方は「モスリンブック」の装丁がとても気に入ったようで、「とても色の美しい表紙です。この色は、私も大好きです。」とも書いている。
 さて、「モスリンブック」の「モスリン」とは、明治維新の頃に輸入された羊毛で織られれた薄手の平織りの生地のことをいう。その後、日本製のモスリンが生産されるようになり、安価なことと発色の良さから広く普及した。
 当館では、来年の干支「羊」にちなんだ「新春展」を開催中であるが、羊の毛が使われているということで、この「モスリンブック」も展示している。豆本のかわいらしさ、そこに貼られた小さな版画作品、モスリン特有の色彩の表紙、それぞれを楽しんでいただけたらと思う。
(前県立郷土館副課長 對馬恵美子)
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by aomori-kyodokan | 2014-12-18 15:28 | ふるさとの宝物 | Comments(0)
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