ブログトップ

青森県立郷土館ニュース

kyodokan.exblog.jp

ふるさとの宝物 第104回 ニホンザリガニ

本県産を基に命名?
b0111910_1711586.jpg
岩木山麓で採集されたニホンザリガニ(体長約5センチ)


 本県には2種類のザリガニが生息している。小型種で日本在来種のニホンザリガニと、大型種で外来種のアメリカザリガニである。
 ニホンザリガニは北海道・本県および秋田北部と岩手北部に生息している。清流や湧き水を好み、渓流の落ち葉などを主な食べ物としている。親になるまで5~6年もかかり、産卵数も少なく、環境変化の適応能力も乏しい。個体数の減少が危惧されており、県レッドデータブックでは重要希少野生生物に指定されている。
 ニホンザリガニは古くから知られ、脱皮時期に胃壁にできる胃石が漢方薬として重宝されていた記録が、すでに江戸時代に残されている。その中に本県に分布する記述も見られる。
 学名は1841年にオランダの来電にある博物館の学芸員によって付けられた。その標本は江戸時代に来日したオランダのシーボルトが入手して本国に持ち帰ったもので、今も同博物館に補完されている。
 この標本は今も同博物館に保管されているが、産地などの明細な記述はない。しかし、その後の研究で、本県西部の個体に特有に見られる尾部の切れ込みや胃石の発達状況から、本県西部(津軽産)で6月ごろ採集された個体であると推測されることが分かった。
江戸時代後期に本県産ニホンザリガニの標本がオランダにまで渡っていたのである。
(県立郷土館学芸員 山内智)
[PR]
by aomori-kyodokan | 2015-07-23 16:58 | ふるさとの宝物 | Comments(0)
<< ふるさとの宝物 第105回 イ... ふるさとの宝物 第103回 マ... >>