ブログトップ

青森県立郷土館ニュース

kyodokan.exblog.jp

ふるさとの宝物 第92回 ニトベギングチ

新渡戸氏が採集、名前に


b0111910_9111578.jpg
「ニトベギングチ」(白神山地)


蜂と言うとスズメバチ、刺されると連想する方が多い。しかし、蜂は国内で約4500種もの種類が生息しており、その形態や習性は多種多様である。
 幼虫の餌を捕まえてくる狩り蜂の仲間に、青森県に縁のある先人の名前が付いた「ニトベギングチ」と言う蜂が生息している。名前のように、新渡戸稲造先生の従兄弟にあたる新渡戸稲雄氏(1883(明治16)年~1915(大正4)年)が青森県内で採集した蜂で名前がついた。
 新渡戸稲雄氏は,1900(明治33)年に設立された青森県農事試験場の初代害虫掛に就任し、特にリンゴの害虫駆除に従事している。当時、東北帝国大学農科大学(現北海道大学)の昆虫学者松村松年先生に多くの昆虫の同定を依頼している。その中の新種の狩り蜂に「ニトベ」の名前が献名された。ニチベギングチは体長15ミリメートル前後で、その詳しい生態は白神山地のブナ林で確認された。ブナの枯れ木に向かって、大型の蛾を狩って抱えて飛んでくる。そしてブナに開けた穴から奥に引き込み、その蛾に産卵し幼虫の餌にする。営巣には適度に腐朽した立枯樹と幼虫の餌となる大型蛾類の生息の環境条件が必要である。このニトベギングチは全国的に希少な種類で絶滅が危惧される。
(学芸員 山内智)
[PR]
by aomori-kyodokan | 2015-04-16 09:08 | ふるさとの宝物 | Comments(0)
<< ふるさとの宝物 第93回 家印 ふるさとの宝物 第91回 鈴木... >>