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ふるさとの宝物 第91回 鈴木正治 エンボス「栗と虫」の原版

手作業で刻み込んだ線

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エンボス「栗と虫」の原版


 「本当の形が最高だと思う。人間が手をかけたほうがいやみだ。だからそのいやみな部分はなるべく少なくしたい。」「展覧会などに行くと『手を触れないで下さい』と札があるでしょう。あれがなにか拒否されたようですごくいやだ。だから自分では、いくら触っても構わない、踏んだり蹴ったりしてもいい形をつくりたいと思った。」これは鈴木正治の願いである。
 鈴木正治が亡くなってから今年で5年目。齋藤葵和子氏に寄贈していただいた2000点に及ぶ作品の中から200点ほどを選び、平成27年3月14日(土)から青森県立郷土館大ホールにて「彫刻家・鈴木正治の世界展」を開催している。
 今回、初めて展示されているのがエンボス(空刷り)の原板となる銅版である。エンボスは版面にインクを付けずプレスなどで凹凸を刷り出す方法。鈴木はほかの芸術家のように、銅版に硫酸などの薬品を使用せず、手作業で細かい線を刻み込んでいる。鈴木正治のマクロとミクロの世界を自分の目で見る楽しみがこの展示会にはある。ぜひ鈴木正治の世界に浸っていただきたい。
(県立郷土館 学芸主査 伊丸岡 政彦)
※ なお、この企画展はすでに終了しております。
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by aomori-kyodokan | 2015-04-09 08:58 | ふるさとの宝物 | Comments(0)
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