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写真で見るあおもりあのとき 第125回 雪国の冬の交通手段 重宝された馬ソリ

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馬ソリで買い出し。(藤巻健二氏撮影)

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たい肥を馬ソリで運んでいる様子(青森市桜川団地町会所蔵)




 郷土作家三浦哲郎の名作「忍ぶ川」に、結婚式を終えた深夜、二人きりになった主人公たちの眼前を月光に照らされた馬ソリが鈴を鳴らしながら通って行く感動的な場面がえがかれています。作品が発表された昭和30年代半ば、雪国では冬の交通手段として馬ソリが普通に使われていました。
当時の青森市内での雪の除排雪は、国道が主で、その他には手が回らず、雪を物ともせずに進む馬ソリは、色々な場面で重宝されたようです。青森市内で古書店林語堂を営む木村宏さんは、「曽祖父が死んだときは、柳町から馬ソリに棺桶を乗せ、その両側に家族みんなが座り、東北線を越え、今のサンロード青森近くにあった火葬場まで行った。馬の鈴の音をいまでもおぼえている」と昭和30(1955)年頃の思い出を語ってくれました。
上の写真は、昭和31(1956)年12月頃に青森市古川(旭町通りと国道7号の交差する付近)で、撮影されたものです。郊外から古川市場にでも買い出しに来たのでしょうか、当時流行した角巻を羽織った婦人たちが箱詰めされた醤油瓶などを馬ソリに積み込んで帰ろうとしているところのようです。
下の写真は昭和30年代中頃、県立青森高校近くの青森市桜川地区での、稲ワラを腐らせた「たい肥」を馬ソリで水田に運んでいる場面です。厳冬期の雪がかたくしまった時期をねらって馬ソリで効率的に運んだようです。豊かな実りには、欠かせない作業でした。
やがて、農家に動力耕耘機などが導入されるようになると、馬は必要なくなり、次第に馬ソリの姿を見かけることも少なくなっていきました。
(県立郷土館客員学芸員 相馬信吉)
※今回紹介した馬ソリなど写真多数を、1月19日(土)13時30分から15時まで青森県立郷土館で開催される土曜セミナー「写真で見る昭和30~40年代の青森市民の暮らし2」(受講無料)で解説します。
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by aomori-kyodokan | 2013-01-17 08:00 | 写真で見るあおもりあのとき | Comments(0)
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