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青森県立郷土館ニュース

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写真で見るあおもりあのとき 第115回 ナヌカビのねぶた流し さまざまな災厄はらう

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ねぶた流し=昭和39年、藤巻健二氏撮影

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流す前の運行しているねぶた




 青森県内で行われているねぶた(ねぷたを含む)は、ナヌカビ(旧暦7月7日)とよばれた七夕の日に睡魔やさまざまな災厄をはらう「眠り流し」の行事と考えられています。県内のどこのねぶたも6日まで夜間運行し、ナヌカビは朝から出て川や海に流したもので、これを「ねぶた流し」といいました。
 ねぶたが新暦に行われるようになって新暦8月7日がナヌカビとなりました。しかし、川が汚れるなどの問題によって「ねぶた流し」は行われなくなり、ねぶた本来の意味がしだいに失われていったのです。
 青森ねぶたの場合は堤川の下流に流しましたが、いつ頃まで「ねぶた流し」が行われていたかはっきりしていません。青森市では1947(昭和22)年からナヌカビには「ねぶた流し」に代わって海上運行が行われるようになりました。上の写真は64(昭和39)年のナヌカビに堤橋のたもとで撮影されたものです。この頃まで「ねぶた流し」が行われていたことを物語る貴重な写真です。
 なお、このねぶたは消防第三分団野脇の「誉の消義隊」(北川啓三作)ということが判明していて、下の写真は運行中のものです。「消義隊」は幕末の上野の「彰義隊」にあやかってつけた題名だと思われます。
(県立郷土館客員学芸員 成田 敏)
by aomori-kyodokan | 2012-11-01 11:24 | 写真で見るあおもりあのとき
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