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写真で見るあおもりあのとき 第105回 強めの炭酸が人気 愛された地サイダー

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「ハツヒ」印メーカー(弘前鉱泉社)の清涼飲料が並ぶ
=昭和34年夏、弘前市内

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時代とともに大手メーカーの飲料が卓上を席巻=昭和48年夏、県内





 厳しい暑さに見舞われた今年の夏。さわやかな炭酸飲料で気分転換をした方も多いのではないでしょうか。上の写真では店先に地元メーカーの瓶入りサイダーや清涼飲料が並んでいます。自販機も電気冷蔵庫も普及していなかった時代、十分に冷やされたものが売られているわけではありませんでした。
 昔は炭酸を強めに調整した製品に人気があったようです。昭和29(1954)年に黒石市で創業し「マルワサイダー」を製造していた旧丸和食品の三代目・村元信行さん(49)によると「炭酸が強いと、冷やさなくとも爽快感が得られるからではないか」といいます。
 また、炭酸飲料を飲み多くの「ゲップ」を出すことで「農薬の毒が消える」「喉のイガイガが取れる」という俗説が農家の方を中心に広まり、強めの炭酸が好まれたという話もあります。昭和26(1951)年に青森市で創業し「シラユキサイダー」を製造していた旧永沢食品工業の二代目・永澤裕元さん(63)によると、今でも「飲めば(毒が)消えるはんで飲ませでけ」と訪れる人がみられるそうです。
 風土と人々の生活に融け込み、愛されてきた地元メーカーの清涼飲料も、大手の商品が流通するようになるとともにその多くが姿を消していきました。
(県立郷土館・増田公寧、写真はいずれも佐々木直亮氏撮影)
by aomori-kyodokan | 2012-08-23 15:45 | 写真で見るあおもりあのとき
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