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写真で見るあおもりあのとき 第101回 農耕馬は大きな財産 夏は川で冷やし世話

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小川で馬の身体を冷やす。昭和30年7月中旬撮影

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泥で汚れた馬の身体を洗う




 馬は農家にとって必要不可欠でした。馬の用途は耕起、運搬、堆肥作製などで「馬は半カマド」などといって家の財産の半ばにも相当する、といわれていました。馬にとってきつい作業は田起しと代かきでした。馬の食事は、夏場は青草中心できつい仕事の後には、味噌や大豆粕、などを与えました。早朝に田の(あぜ)などの草を刈って食べさせました。これを「朝仕事」といいました。冬場には干し草とわらを細かく刻んで、桶にいれお湯と合わせて食べさせました。
馬の世話は若い男衆の仕事で、夏場には川や池、用水(ぜき)に馬を入れ、身体を洗いながら馬体の熱をとる「馬冷やし」を行いました。馬は身体に熱がこもりやすいので、農耕馬に限らずこうした馬の世話は一般的なものでした。「冷やし馬」「馬洗う」は夏の季語ともなっています。馬の世話は日常的なもので、大人の仕事を興味深げに眺める子どもたちには、馬を放牧地へ連れて行く仕事が割り当てられました。
(県立郷土館学芸員・昆 政明、写真はいずれも佐々木直亮氏撮影)
by aomori-kyodokan | 2012-07-26 10:16 | 写真で見るあおもりあのとき
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