久渡寺のオシラ講の様子
イタコの口寄せ
この2枚の写真は昭和31(1956)年ごろに撮られた久渡寺の「
大白羅講」の写真です。オシラ講には自分たちの家の神様であるオシラサマを持ち寄って遊ばせます。オシラサマをまつることを「遊ばせる」といいます。
久渡寺のオシラ講には、自分たちのオシラサマに新しい服(オセンダク)を着せて持って行きます。オセンダクに印をもらい本堂にまつります。この印をもらうことによって、その度にオシラサマの位が一つずつ上がっていくそうです。
本堂では護摩を
焚き、住職によって祈祷やお祓いが行われます。上がその写真です。
祈祷が終わると、イタコが津軽三十三観音の御詠歌とオシラ祭文を唱えて終了です。そして、位の上がったオシラサマを受け取って帰りました。
下の写真は、イタコの口寄せです。オシラ講には津軽のイタコが大勢集まり、仏(死人)の口寄せが行われていました。現在では、イタコも高齢化や跡継ぎ不足等で人数が激減し、久渡寺のオシラ講でもイタコの姿が見られなくなってきました。
現在、久渡寺のオシラ講は国の「記録作成等の措置を講ずべき無形の民俗文化財」に選択されています。
(県立郷土館・豊田雅彦、写真はいずれも佐々木直亮氏撮影)