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青森県立郷土館ニュース

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写真で見るあおもりあのとき 第93回 赤飯や煮しめ、焼き魚 豪華な田植えの食事

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昼休みの食事風景。みんな笑顔で食べている

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煮しめとでんぶをホタテ貝の皿に盛る




 田植えを終えるまでには、1週間から2週間が必要でした。連日のきつい作業を乗り切るため、食事は朝昼晩の三食とは別に、午前と午後のイップクという休みを入れ、コビリといった軽い食事をとりました。
 田植え時の料理としては赤飯と煮しめは欠かせないもので、他に塩ニシンや塩マス、塩ホッケといった焼き魚、身欠きニシンや干タラの煮付け、タケノコやフキ、ゴボウの油炒めやあえもの等、一年の中では、盆と正月に次ぐごちそうで、大きな楽しみでした。また、苗代から苗をとる男衆には、身体を温めるため、といって酒も用意されました。
 これらは田植えする家で提供しなければならないため、計画的に食材を手配し、当日は朝早くから準備にかかる必要がありました。田植え時のまかない仕事は「田植えがすめば一年の半分が終わった」と感じるほど農家にとって、特に女性には負担の大きなものでした。
 写真は先週と同じ昭和31年5月30日、田植え時の昼食風景です。好天に恵まれ作業もはかどったのでしょう、皆に笑顔があふれています。集落全体の田植えが終われば、サナブリ(南部ではテンノリ)という慰労の休日が待っていました。
(県立郷土館学芸員・昆 政明、写真はいずれも佐々木直亮氏撮影)
by aomori-kyodokan | 2012-05-31 10:41 | 写真で見るあおもりあのとき
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