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写真で見るあおもりあのとき 第90回 柾葺きの石置き屋根 漁村や町の商家に

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大間町の石置き屋根=昭和37年、佐々木直亮氏撮影

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数年前に大間町で撮影した石置き屋根




 青森県内の伝統的な民家には、(かや)()いた屋根のほかに(まさ)で葺いた屋根もありました。一般に茅葺きは農村に多く、柾葺きは漁村や町の商家に多かったようです。
 柾とはヒバやスギをごく薄く削った板のことで、長柾とコバ柾の二種類がありました。長柾は長さ約40センチ、幅約8センチくらいで、これを屋根に敷き詰めていきます。風で飛ばされぬように上から細い板で押さえ、さらに石を乗せて押さえました。今からみると屋根に石を置いている不思議な光景が漁村などで当たり前に見られたのです。
 しだいに長柾の半分ほどの大きさのコバ柾を使用するようになっていきます。コバ柾の場合は(くぎ)打ちして止めたので風に強く、石を置く必要がありませんでした。コバ柾を葺く専門の職人がいたもので、小さな釘を口に何本も含み、それを一本ずつはき出しては特殊な金槌ですばやく打って止める様子はさながらマジックを見ているようでした。さらにトタンを使用するようになって石置き屋根は姿を消していきました。
 上の写真は昭和37(1962)年に下北郡大間町で撮影されたものです。この当時はまだかなりの数の石置き屋根があったのかもしれません。下の写真は同じ大間町で数年前に私が撮影したものですが、この集落では唯一の石置き屋根となっていました。(県立郷土館客員学芸員・成田敏)
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by aomori-kyodokan | 2012-05-10 09:54 | 写真で見るあおもりあのとき | Comments(0)
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