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青森県立郷土館ニュース

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写真で見るあおもりあのとき 第89回 行商のおばあちゃん 鯨肉 元気に売り歩く

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ご婦人が手にする四角いものは?

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雪の日もガンガラを背負い、魚を売り歩く後藤さん




 笑顔が印象的な行商のおばあさん。訪問先のご婦人がなにやら長方形の塊を手にしています。実はこれ、今では殆どお目にかかることがなくなった鯨肉です。鯨肉には、赤肉や白肉、尾肉(尾の付け根の霜降り肉)などがありますが、写真のものは冷凍の赤肉であると思われます。青森駅前の市場で18歳から鯨の尾肉を扱っていた平野文雄さん(73)によると、昭和30年代の最盛期には1日200㎏以上も売れたといいます。
 ところで、取材を重ねるうち、行商のおばあさんのこともわかってきました。
 名前は後藤モヨさん。モヨさんは青森駅前で魚を仕入れたのち、朝一番の列車に乗り、大釈迦(青森市浪岡)で魚を売り歩いていたそうです。「モヨばば」の愛称で親しまれ、お金がない時もツケで魚を置いていってくれる、気さくな人だったようです。
 下の写真は、旧国道7号線北大釈迦付近で撮影されたと思われますが、魚を計量するためのカゴを手に、ガンガラ(魚を入れるブリキの缶)を背負いながら杖をついて歩くモヨさんの姿が写っています。義理の娘にあたる、後藤ミヨ子さん(74)によると、モヨさんはニシンやカレイ、ホッケや鯨肉などを背負い、正月以外は一日も休まずに売り歩いたそうです。80歳を過ぎてもなお元気に商いを続けていたそうです。
(青森県立郷土館・ 増田公寧、写真はいずれも昭和42年、藤巻健二氏撮影)
by aomori-kyodokan | 2012-05-03 09:00 | 写真で見るあおもりあのとき
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