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写真で見るあおもりあのとき 第74回「衛生展覧会、各地で開催 娯楽性に教育的要素も」

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↑人体の臓器の模型や標本が並ぶ展示室



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↑「保健衛生代展覧会」の横断幕を掲げる校舎=旧碇ヶ関小学校。ともに昭和32年、佐々木直亮氏撮影。

 写真は昭和32(1967)年に旧碇ヶ関村で撮影された「衛生展覧会」の会場風景です。

 衛生展覧会(博覧会)とは、伝染病の蔓延を背景として19世紀半ばの西欧に始まり、日本でも明治時代半ば~昭和40年代まで各地で開催された、保健衛生思想を普及させるための催事です。国や自治体主催のものから、病院や学校が開催するものまで、規模も内容もさまざ までしたが、展示には凡そ人体の実物標本や模型などが多数用いられ、視覚的興味を喚起するさまざまな仕掛けが施されていました。いわば、見世物としての娯楽性と教育的学術的な要素とを兼ね備えた「楽しみながら学べる展覧会」でした。写真には子どもたちの姿も写ってい ますが、往時の子どもが書いた作文をみると、胸躍る一大イベントであったことが窺えます。

 保健衛生思想が津々浦々まで行きわたった現在では、「衛生展覧会」と銘打った催事は見られませんが、青森県立美術館を含む日本各地を巡回し話題を呼んだ「人体の不思議展」や、伊勢の元祖国際秘宝館(閉館)をはじめ、温泉観光地にみられる「秘宝館」(性のミュージア ム)は、衛生展覧会の系譜に連なるものと捉えることもできます。
(青森県立郷土館 増田公寧)
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by aomori-kyodokan | 2012-01-19 08:55 | 写真で見るあおもりあのとき | Comments(0)
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